「もーうきゅんきゅんきゅんきゅんきゅん!」
「うわー、お姉ちゃんくすぐったいですよ!」
「ふはははは膝小僧すべすべー!」





「何やってるんだお前は」
「あぐっ!」





私がシーくんにしゅりしゅりずりずりすりすりしていたら、
何か固いもので頭をぶったたかれた。
この変にイケメンな声は多分イギリスだ。





後ろを振り向くと、エプロンを着てフライパンを装備したイギリスが、
ずもももももも〜っと立っていた。誰かさんを彷彿とさせるね。
ほら、名前の最初がハで始まる……。





恐らくフライパンでぶったたかれたところを、
シーくんが軽く撫でる。「うわ、タンコブになってるですよ!」

「ホンマかいな。イギリス死ね、死んで詫びて」
「無茶言うなよ馬鹿ぁ!大体、お前こそ、シーランドに詫びろ」
「何を?」
「悪影響を及ぼしただろ、主に精神に」
「んなワケないじゃろがい」

んねー、と同意をシーくんに求めたら、
「ちょっと気持ち悪かった!」と笑顔で言われた。





ふふ……この年頃のコに、悪意は無いのよ。





「だから全然落ち込んでなーい☆」
「涙目になりながらよく言うぜ……」

フライパンを肩に乗せ(ううむ、海賊時代を思い出すぜ)呆れたイギリスは、
ふと気が付いた顔になった。





「そういや……お前、プロイセンと遊ぶとか言ってなかったか?」
「ほ?今何時?」
「3時」
「……おーまいがっ!」




それでエプロン姿新妻風味なのねー!?

慌てて立ち上がり、ついでにシーくんの肩と頭をさりげなく撫でまわし、「こらー!」
黒い物体が頭を直撃した。

「ぶふう!何するんイギリス!
ショタの何が悪いって言うの?ペドの何が悪いって言うの?」
「ペド言うな!問題大有りだ!」
「イギリスだってペドのクセにー!」

うわあああん、殴ること無いじゃんー!と叫び、泣きまくった。
泣きまくっていたら、ふと、服の裾をくいくいっとつかまれた。





お姉ちゃん?時間……」
「……はうあ!そういや約束約束!ああ、そうだ母ちゃん、
おやつは取っておいてね!」
「……誰が母ちゃんだ馬鹿ぁ!」





イギリスが、フライパン片手に叫んだ。
……殴られるぞー!逃げろー!





しあわせかぞくにっき
(おー、遅かっ……お前!頭凄いことになってんぞ!)(フライパンで殴られた)