「キョキョキョン!」
変な呼び方するな!
「はっ、ははハルハルがぁ!」
「?」

コイツは。俺の幼馴染で人畜無害の全くの一般人だ。
現に古泉もそう言っていたしな。
と、なるとコイツは素でハルヒに好かれたしまった訳で。


メイド服片手に持って追っかけてくる!
またか!

まぁよく俺のところに非難してくるわけだ。やれやれ。

「どどどどうしよ!」
「…諦めろ
そんなこといわないでよぉ!

といっても昔から遊んでやった幼馴染は結構可愛いもので。
最終的に匿う事になるんだが。


「…ハァ」

とりあえず俺はの手をしっかりと握ったまま、ハルヒに会わないように
早歩きしたのだった。


*****

空き教室といえば、なんとなーく危ない雰囲気の漂う場所だろうが、
もう何年も一緒に居れば逆に何も沸き起こらない。


別に他の奴にも沸き起こらないからな!

「ふっへー疲れた…」

机の上に顎を乗せては今にも溶けそうなくらいぐったりとしている。
全く、ハルヒにも困ったものだ。


「キョン君はSOS団に行かなくていいんですか」
「今日くらいサボってもいいだろ」
「どうせまたハルハルが明日「ちょっとキョン!何で来なかったのよ!」とか言って
怒るよ」
お前をハルヒに突き出してもいいんだぞ
「…すいません

簡単にそんなハルヒが想像できてしまった。
元はといえば誰のせいだ、誰の!


「ごめんキョン〜」
「…別にいい」
あ、そう?
「…(立ち直り早いな!)」
キョンキョン

ごめん睨まないで

全くふざけるなよ。

「まきこ〜まれた時はすぐに諦めろぉ!」
お前を諦めさせるぞ
「予想斜め上で〜」
おい
「何にも起こすなよ〜奇天烈なんかいらない!」


いつからこんな我が侭な話を聞かない奴になったんだろうか。
お父さんは悲しいぞ。


「お父さんじゃないくせに」
読むな!










ちょっと〜!?











「「…」」

…アイツが来た。
そう思った瞬間に運命の扉は開かれた!

ガラッ

「あー、いたいた!」
ぎゃー!
「何よー探したのに」

探さなくていい!

「あ、キョンもいっしょなのね」
「…、逃げるぞ!
「「ハァ!?」」

の声とハルヒの声がかぶる。





それを遮るように俺はの手を取った!





ちょっと!?キョン待ちなさい!
待てといわれて待つ奴はおらん!
えええええええ

とりあえずだけが状況を理解せず一つの音だけを口から出している。
運動神経のあるハルヒでも男の俺には勝てない…だろう。多分。


*****

ハァ、ッ


疲れた。

ちょ、キョン!いきなり引っ張んないでよ手がもげるかと思った!
お前あのままだったらハルヒに捕獲されてただろーが!

ちょっと怒鳴るように言うと、「そ、そりゃそうだけどさー」
どもる。

ちなみに今は学校を出て、あのキツい坂を下ったところだ。

「ああ!鞄も置いてきちゃったし!」
「別に明日土日だからとりに行けばいいだろ」
めんどくさい!
つべこべ言うな!

うう、とはそこにしゃがみこんで、膝に顔を埋める。

「お、おい?」
うわーん!キョンのばかぁ!
な!

泣かれてしまった…どうすればいいんだ、こういう時は!
とりあえず俺もそこにしゃがみこむ。


「な、泣くなって…」
「うるさいっ!」
いでっ

とりあえず力加減をしてくれ。
本気で痛いぞ。


「…とりあえず何で泣いてんだよ」
「…………………知らないもん」
は?
知らないけど、涙が出ちゃったんだからしょうがないでしょ!

うわぁん!とまたは泣き出す。

「とりあえず泣き止め!」
「嫌だもん!
泣くもん!
なんでだよ!

ああ、もう!
泣くなよ!


こちらをキッと向いたはそれはまぁ目を真っ赤にして?
ぼろぼろと涙の後が乾かないまま新しい涙を流していた。


「ぐずっ、」
「ほら、泣き止めって」
「いや」


ゆっくりと俺はこちらを向かないの頭をがっちりと手で掴んで、
こっちをむりやり向かせる。
















「な」















何、と言おうとしたの目にたまって、後少しでこぼれそうな涙を舐めてやった。


(、しょっぱい)