髪伸びちゃったなぁ。

Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜

私の髪は元々細い。そしてさらさらなんだよな。
昔から普通だった私にとって一番自慢できたとこだなぁ、うん。
友達が、「わー髪綺麗!」って言って
「(そうだろうそうだろう)」とか思ってたからね(うぜぇ

ただ!伸びるとむっちゃ絡まる!
邪魔!と言うことで、

セバ〜!

セバに切ってもらう事にした。

「…いねぇ」

この広ーいお屋敷の中でセバを探すのは本当大変だ。
ちなみに今はハサミを持ってうろうろしている。

「あれ、!」
「おーフィニ」
「どしたの?」
「セバ見んかった〜?」
「セバスチャンさん?見なかったよ。
それよりその手のはさみどうしたの?」
「え、実は「あー!もしかして仕事手伝ってくれるの!?

ええええええ。

え、いやじゃあ行こうか!

ちがうって。
結局手伝ってしまった。

「あーうでいたい

セバどこだろう…と思いつつ廊下を歩いているとメイリンが。
なんか嫌な予感もするが、彼女にも聞いてみよう。

「…メイリン〜セバ見なかった?」
「へっ?セバスチャンさんですだか?見なかったですだよ。
…そのハサミは?」
「ん?髪きってもらおうかと思って」
だったらきってあげるですだよ!
「(ええええいい、いい!別にいい!
駄目ですだか…
うっ

ついついしょんぼりするメイリンに負けてはさみを渡してしまった。
不可抗力。(違う)

そして五分後。

ハァ…(だから嫌だったのに)
すすすすすいませんですだ!
「いいよ、別に…」

ものすごく短くなった。髪の毛が。

空間の再構成!

よし、戻った。

「じゃあね〜」
「すいませんですだ〜!」

ふう。
さて、もうそろそろセバにあいたい。

「あ」

あの後姿は!

「セバ!」
ああ、ですか」
「…やっとついた」
「?」
「セバ!髪切って!」

そういってはさみを渡した。

「そういうことだったんですね」
「はい、疲れましたから〜」

ちょきちょきといい音がする。
うーん、頭が軽くなる!

「出来ましたよ」

綺麗な装飾のされた手鏡を渡されたので見てみると

「あ、これちょうどいい!」

髪が伸びる前の自分がいた。

「セバありがとね!」
と自分なりの満面の笑みを向けると、

「いえ」
と完璧に負けそうな微笑を返されてしまった。





青空の爽やかな、ある日の午後のこと。






























2007.11.30