夕方。
私は幼馴染のシエルの家に押しかけてやった。

「お久しぶりです様」
「うん!久しぶりセバスチャン!シエル何処!?」
「恐らく、自室じゃないですかねぇ…」
「ありがとーじゃね!」

セバスチャンはにこやかに手を振っていた。




















「シエル!」
「げっ」
「…失礼な」

つん、としながら、シエルのところにいく。

「あーそーぼー!」
「僕は仕事があるんだ」
「…仕事なんかいつもしてないくせにー、知ってるんだからねー」
「あー!相手してる暇は無い!」
「暇がなくなるくらいなら普段からちゃんと仕事しなよ」
「うっ…」
「へへーん」

これまでシエルは一度も口ゲンカでに勝てた事は無かった。

「それより、小母さんにはちゃんと言ってきたのか?」
「うん、ついでに泊まるって☆」
「(泊まるのか…)」

シエルはがくりとうなだれる。

「いーじゃん。別に。それより、あそぼ!」
「僕は子供の相手してる暇は無いんだ!」
「そうやっていうのが子供ーついでにいうと私年上ー」
「ぐっ」

ふふん、とは笑う。

「あーそーぼー」
「…ハァ、分かった」

ダンスよりはマシか、と考えながら、シエルは席を立つ。

「で、何をするんだ?」
「へっへーん、新しいゲーム」
「…また小父さんが探してきたのか」
「うん」

の父はゲームをコレクションするのが好きだった。
とくにカード類。

「んとね、これをーこーして」
「ああ」

説明を聞いていく。

「んじゃーゲーム開始ね!」
「ああ」

そう言ってゲームを始めた。




















…五分後。

「…負けた」
「勝ったな」

ふ、とシエルは笑う。

「ギリギリだったくせにー」
「でも勝ったからいいんだ」

はさも気にしないように
カードを集める。

「ちぇ、可愛げのないやつー(棒読み)」
「おい」

嘘だよ、とは笑う。

「今度はセバスチャンとやろう」
「そーしてくれ」
「セバスチャンも私には勝てないからね口では」
「…(セバスチャン…)」

シエルはすこし目の前の少女に鳥肌が立った気がした。

「あーあ、もう空が真っ赤」
「本当だな」
「あ、でも泊まってくんだった」
「…お前はいちいち嫌味な奴だな」
「誉め言葉」

にっこり、と笑う

「勝てるのはお父さんくらいかな」
「口ゲンカにか?」
「うん。毎回負ける」
「父親に勝負を挑むな…」
「いいじゃん、常に上を目指すって」
「お前は女だろ」
「差別はんたーいそして今は女性も強いもんだよ」

私も強いのがいいの、とは呟く。

「なんでだ?」
「シエルって、ほら結構弱いから助けなきゃいけないじゃん」
「なっ」
「そんな事、あるでしょ〜」
「…」

そうといえばそうなので何も反論できない。

「だから助けてあげるよ、でしゃばらないくらいに」

どんなに強い女性も自分の夫が前に出るときは後ろにいたらしいよ。

「なっ」
「たとえ話だよ(笑)」
「またお前はからかって…!!」
「ひっかかったんが悪いんですー」

ひひひとは笑う。

「でもそんなのがいいの」
「…そうか」
「だからね、シエル!」

茜空に約束!

(なんだそれ)(そのまんま!)(…)(さーて夕ご飯夕ご飯!)