「もうすぐクリスマスですね先生」
「そうですね。クリスマスとこじつけていろいろ売ってそうですよね
こじつけの話ですか。そうじゃなくって純粋にクリスマスですねって
言ってるんですよ


相変わらずな先生に私は隠れて溜め息を零す。
今日は、です。

「ねぇ、千里はどうするの?」
「どうするのって…そりゃあきっちりやるわよ
「(こっちも相変わらず…か)」

とほほ、今年皆でクリスマスパーティーやろうとしたのに。

その時、
携帯のバイヴが、ヴーッーヴーッと唸る。

「あ、芽留ちゃん
って今年もクリスマスパーティーやるの?】
うわーん芽留ちゃんだけだよ分かってくれるの!

がばちょっ!と芽留ちゃんに抱きつくと、芽留ちゃんは顔を真っ赤にしてメールを送ってくる。
【幼馴染だからね】
可愛い!普段は皆に毒のあるメールを送ってくるけど、
私は昔から幼馴染の所為かそういったメールは来ない。

「何々、クリスマスパーティーやるの?」
「私もやりたい!」

やってきたのは、晴美ちゃんと奈美ちゃん。

「そうだよー、晴美ちゃんは予定とか大丈夫?イブイブだけど」
「大丈夫だよ」
「奈美ちゃんはー?」
「んー、私も多分予定入ってなかった気がするなぁ」
「なら良かった!お菓子いっぱい作ろうと思ってて」
の御菓子美味しいよね】
「ありがとー芽留!あ、後呼びたい人まだいるなぁ」
まだいるの!?
そういえば、の家ってものすごく大きいのよね…
「いやいやそれほどじゃないって晴美ちゃん」

笑いながら、きゃいきゃいとはしゃぐ。これこそ本当の学生生活、スクールライフだよね!

「えっとねー、まといちゃんと、カエレちゃんと、可符香ちゃんでしょー?
後、愛ちゃんにー真夜ちゃんでしょー?マリアちゃんも呼ぼうかなぁ。とりあえず、」
ちょ、ちょっとストップ!
「どしたの奈美ちゃん」
の言葉遮ってんじゃねーよ普通人
普通って言うなー!そうじゃなくて、とりあえず予定聞いてこないと!」
「あ、そうだよね!」

ぽん、と手を叩いて、
まずは先ほどなにやら言っていた先生に。



「クリスマスパーティー?」
「はい!」
「…(ぼそり)さんと二人っきりが良かったんですけど
はい?
「いえ、じゃあ行きます」
「わーい、じゃあ一人目!あ、あと交くんもつれてきてくださいね!」

ふふ!と笑って次は先生の近くにいた千里に話し掛ける。

「ねぇ千里もクリスマスパーティーこない?」
「あら、私その日は予定が入ってるの」
「あ、そうなのかぁ…残念」
「そんなに、落ち込まなくても」

千里が私の頭を撫でた。
わーおねぇちゃんみたい。

「ん、じゃあ次の人に聞いてこよっ!」



「いいわよ」
「本当!?」
ええ、の頼みだもの

カエレちゃんはオーケーしてくれた。わーい。

「それより、あの教師告訴してこようかしら
なんで?(ていうか教師ってどの?)」
「あいつ…!!と二人っきりがいいだなんて
完全なるセクハラだわ!訴えてやる!

「ちょっ、カエレちゃん!?ってそっちは糸色先生の方…ってまさか告訴するのって糸色先生!?

急いで止めに入って、何とか説得した。
危ない。先生が「私のために…!!さん、うれしいです」とか言ってたけど
本当、カエレちゃんは冗談じゃすまないから。

ふと、先生の後ろのほうにいたまといちゃんを発見。

「まーといちゃん!」
「どうしたの
「あのねクリスマスパーティーやるから来ない?」
「…いく」

まといちゃんが腰にぎゅっと抱きつく。可愛いなぁ。

「えっへへーじゃあ決定!」

笑って言うと「可愛い!」と言ってもっとぎゅっと抱きついてきた。
可愛いのはまといちゃんだよ!

「あ、あびる」
「ああ、、何?」

あびるが通りかかったので、
私はまといちゃんを腰にくっ付けたまま話す。

「実はさ、イブイブにクリスマスパーティーするんだけど、来ない?」
「…多分その日予定が」
「嘘ー!…そっかぁ」

しょぼんとするとまといちゃんが「私が居るじゃない!」と慰めてくれた。
ありがとー。
しょうがない、他の人に聞きにいこう。



「愛ちゃんも真夜ちゃんも駄目だったなぁ…まなちゃんも駄目みたいだし」

やっぱり皆予定があるんだなぁ。

「あ、マリアちゃんと可符香ちゃん!」
「あ、!」

マリアちゃんが大きくこちらに手を振る。
癒しだなぁ。

「実はさ、クリスマスパーティーするんだけど、来ない?」
「クリスマスパーティー?楽しそう!」
「マリアも行きタイ!」
「あっ、やった、イブイブだけど、大丈夫?」
「うん、大丈夫よ」
「マリアも!」
「そっかー!」

じゃあイブイブね!
と言って私は保健室へ向かった。



「こんにちは智恵先生!」
「あら、さん」
「霧ちゃんいますか?」
「小森さん?いるわよ」

ベットで隠れていた部分を指差したので、其処へいってみると
クリスマスカラーっぽい布団に身を包んだ霧ちゃんがいた。

「あ、だ…」
「えへへ、お久しぶり、かな?」

霧ちゃんは本当に可愛い。一緒にはなすの楽しい。

「実はクリスマスパーティーやるんだけど、霧ちゃん来る?」
「あ…行きたい
本当!?

学校にずっといるから、てっきり断られるかと思ってた。

「23日だけど、いい?」
「いいよ」

じゃあ、家に着てね!といって、手を振って保健室を出た。
霧ちゃんも小さく、手を振っていた。



失礼しまーす…

図書館には人がいなかった。
あ、いや、一人いた。目的の人物が。

「あ、久藤君」
「あれ、さん、本読みにきたの?」
あ…ごめん、ちょっと違う」
「別にいいよ。何?」
「えっとねー…クリスマスパーティー23日にやるんだけど、来ない?」
「んー…多分大丈夫。行くよ」
「あ、そう!?ありがとう!」

そう言って笑うと、久藤君が顔を押さえた。

、ど、どうしたの?」
「…なんでも無いよ
「そ、それならいいけど」

じゃあいくね!と言って私は図書館を出た。

「…(さん可愛かった)」



「こーんにーちはー」
「あ、じゃないですか」
「命さん今日はー」
「今日はどうしたんです?」

糸色医院には今日も客が居ない。
なーんて言ったら怒られそうだけど。

「実は、うちでクリスマスパーティーをするんですけど、来ません?23日」
「23日ですか…仕事…」
「(有るんだろうか)」
「いいですよ」
「あ、そうですか!」

やったー!と喜んでいると命さんががばりと抱きついてくる。

みみみみみ命さん!?
「…柔らかい
ぎゃーっ告訴しますよ!

焦ってカエレちゃんの名台詞が出たが、ソレは困るようで離れてくれた。

「では、23日ですね」
「ああ、はい、そうです」

じゃあ、と言って私は糸色医院を出た。





ああ、23日が楽しみ!






(みんなターゲットは貴方!)