…うわぁ。
人間は大きな幸せを前にすると、急に臆病になる。幸せを勝ち取ることは、不幸に耐えることより勇気が要る。
朝、目覚めたら、
「…あれぇ」
隣に銀髪の少年?が居ました。
ちなみに今私は布団の中です。
え、私ついに犯罪やっちゃった?
…笑えねぇー(当たり前)
…………………………………………ていうかもの凄く見覚えが…
っていうか…
「ごっくー…?
ってそぉおおおいっ!」
愛称で(お前)彼を呼んだら、行き成り目を開けたのでビビって
変な声出しちゃったよ…何だそぉおおおいっ!って…
ていうか獄寺もビックリしつつ引いてるんですが…
酷くね?(自業自得です)
「てっ、てめー誰だ!」
「いやいやいや私の台詞だよ、ここは私の部屋です」
「はっ…?」
ごっく(違)はがばりと布団から起き上がるとあたりをきょろきょろと見回した。
そして、ズーンと落ち込む。
漫画みてぇ。
私はタイミングを掴んで話し掛けた。
「あのさー、実は私からこういう考えがあるんだけど」
.....。。+**☆
「ごっくーこれよくね?」
「あ、お、おう。つーかごっくーって呼ぶな!」
「んじゃあ隼人で」
「…」
「そんなに顔歪められたらさすがに傷付くわー」
はい、です。
今ごっくの服を買いに行ってます。
一応トリップしてきた事なんかを話しました。
事細かにね。
ていうかさすが10代目っス…!!!じゃないよ(※漫画を見た獄寺の感想)
そしてトリップお約束なのか知らんけど都合よく
母さんと父さんは海外短期出張中だ。
誰かが仕組んでるとしか思えないね。
「…お前、」
「ねぇ隼人ー」
「………なんだ」
「お前って呼ぶの止めてよ、せめてとか」
「…」
「…何で黙るのさ」
むすっ、としているごく…隼人を放っておいて
会計を済ます。
「はい」
「…べ、別に感謝とかしてないからな!」
「(なんだそのツ ン デ レ ! !)」
赤い顔で言われても説得力ないです。
むしろかわいいので襲ってm(黙れ)
.....。。+**☆
「…」
「!どうしたー改まって」
家に帰って。
名前を呼んでもらえたことに嬉しくなりつつ
なんだかそわそわしている隼人に問い掛ける。
トイレならそこ曲がったとk(違うに決まってんだろ)
「そ、のな、今日、」
「ああ、別に良いよお礼とかなら、ていうか隼人別に感謝してないとか言ってたじゃん」
「バッ…う、うるせー!」
「あっはっは、かわいいー赤いー」
「果たすぞ!」
「ちょっ、ダイナマイトは止めろ!」
びびびびビビッたー…。
火薬の匂いがリアルだった…(当たり前)
.....。。+**☆
数日後。
結構慣れてきた。
この生活に。
いや、慣れるもんじゃないけど。
「ただいまー」
学校から帰って。
靴を脱いだときばたばたと音がした。
「!」
「ぐはっ!ど、どうしたの(びびったー)」
「手が!」
…ム○カ?
とまぁ、冗談は置いといて。
隼人の手をぐい、と持ち上げる。
「っ」
「…何ですけてんの!?」
「知るかよ!」
手が無い…ホラー…(雰囲気ぶち壊し)
「これはもしや…帰れるんじゃない?」
「は?」
「良かったじゃん!」
「…に、言って、」
「ん?」
「何言ってるんだよ!」
びくり、と肩が震えた。
な、何…?
「俺は、おまえと、と離れるなんて、」
バシッ
「って!」
私は隼人の頭を思い切り殴った。
というか、はたいた。
「あのねー!辛くないかって聞かれたら辛いわ!」
「おま…分かって、」
「当たり前でしょうが!でもね、今、
私は目の前にあるおっきなチャンスに
飛び込みたくなるほど大きなやつじゃないの。
重い方と軽い方、どっちを選ぶって聞かれたら
ほとんどの確率で軽いほうを選んじゃうようなやつなの!」
「…」
「もしかしたらそっちの世界にいけるとしても、私は今は行けないの。
だってこの世界が好きだし、そっちの世界でやってける自信も無い!
隼人が消えた後、行きたかったって思うかもしれないけど、
私は今行く気にはなれないの!」
「…バーカ」
泣いてんじゃねぇか。
「煩いな!中途半端な気持ちはいやなの!」
「わーってるよ」
ぎゅう、と抱きしめると、びくり、と体がはねた。
そして、すこしして、感覚は無くなった。
…………じゃあな、。
.....。。+**☆
「よし!」
私は今教室にいる。
よくきくジンクスを試すために。
いちかばちか。
「…今なら、隼人の元にいける気がするから」
覚悟は、決めた。
2008.1.17 title by 下妻物語