「けほっ、」
喉、痛い。
おでこに、黒髪が張り付いて気持ち悪い。
暖かくしてるのに、寒いし…
ピピッ
「ぅわ…」
38.3分。完璧に熱だった。
体が軋むように痛い。
関節…痛い。
とりあえず、下に居る望お兄ちゃんに学校休ませてもらう様に言おう…
*
「あ、、おはよう御座います、今日は遅かったですね」
「うん…お兄ちゃん、実はね、私熱があるみたいなんだけど…」
「風邪!?」
「う、うん」
ぴたりとお兄ちゃんの手のひらが私のおでこに触れる(冷たい…)。
「本当ですね…今日は休んだほうがいいでしょう」
「うん、分かっ…けほっ、こほっ」
「!?だ、大丈夫ですか!」
「(そ、そんなに心配しなくても…)大丈夫…」
お兄ちゃん…顔が青褪めてる…
「心配ですね、今日は私も仕事休みましょう」
「うえぇ!?だっ、大丈夫だよ!」
「いけません!」
「そ、そんなこ、とな…」
体がゆらりと傾いて、お兄ちゃんの「!?」っていう声が聞こえたけど、
返事できなかった。そのまま、真っ暗になったから。
*
「…ん」
「あ、起きましたか、
びっくりしちゃいました、いきなり倒れるものですから」
「お、お兄ちゃん…(結局お仕事行かなかったのか)」
「まぁ、今日はゆっくり休んで寝てください」
「うん…そうする」
「、大丈夫か?」
「あ、交くん…いたんだね」
ふふ、大丈夫だよ〜と、座っている交くんの頭を撫でる。
「煩かった」
「?お兄ちゃんが?」
「うん、が倒れたって喚いてて」
「(うわぁ…)」
「自殺しようとしてた」
「えええ」
交くん、ごめんね。
あ〜、目から涙が出る。
意識しなくても出る。
「さっき兄さんが来てたんですけど、季節の変わり目の風邪だそうですよ」
「命お兄ちゃん…?」
「ええ」
ほら、と置いてある処方箋を望は指差す。
「ふぁ…ほんとだ」
寝てちゃったんだよね、悪い事しちゃったな。
「とりあえず、寝てください」
「寝て、と言われてもすぐには寝れないよ…」
苦笑しながら、望お兄ちゃんの顔を見上げる。
「…ならばいっしょに寝てあげます」
「え、え?(な、何でそうなるの!?)」
反攻する言葉が出る前にもぞもぞとお兄ちゃんは布団に入ってきた。
「ふー…」
「(ちょっ…)」
もう寝る気満々じゃないか。
腰ががっちりもたれて結局離れられないので、
まぁ、諦めて寝る事にした。
あ、とその前に。
「お兄ちゃん、風邪移るよ?」
「まぁ、それでが直るんなら良いですかね」
「よくないよ」
うん。全然良くない。
「千里ちゃんとかにまた怒られるよ」
「別に良いですよ」
「(ハァ…)」
しょうがなくもぞもぞと顔を埋めるといい匂いがした。
「…いい匂いですね」
…お兄ちゃんそのうち訴えられるよ(カエレちゃんとかに)。
*
「…う、」
起きるともう夕方だった。
気付けば交くんもちゃっかり隣に寝ている。
望お兄ちゃんは相変わらず私の腰を持ったままだった(私枕じゃないのに)
「あ、熱下がってる」
すっきりした感じがしたわけだ。
ゆっくりとお兄ちゃんを起こさないように
手を腰からはずす。
指が腰にあたってくすぐったい。
とりあえず、汗でべっとりとした服を着替えて、
お兄ちゃんたちにご飯を作ってあげる事にした。
「今夜はハンバーグにしてあげようかな」
*
「あ…おはよう御座います」
「うん、もうおそよう、かな?」
星も出てきた頃。
机に食事を置いているとお兄ちゃんが起きてきた。
「!、寝てなくていいんですか!?」
「(びくっ)う、うん、もう熱下がったから…」
「本当ですね!?」
「わ!」
おでこに手が速攻で当てられる。
「…大丈夫みたいですね」
「だからそうなんだってば」
少し苦笑する。
心配性だけど、ちょっと、
いや、かなり嬉しいかも、ね。
お兄ちゃんは心配性
(えへへ!でもだーいすき!)
(ー!!!私も大好きです!)
(…何やってるんだ?)