煉瓦の地面。
綺麗な町並み。





ここはイタリア。







「あ」

数週間前に届いた一枚の封筒。
何かの懸賞で狙ったイタリア旅行のものだった。


4名様の3泊4日のもの。

「誰を誘おうかなぁ…」

まず思い浮かんだのは従兄弟のツナ君と、奈々さん。
後は、黒曜中での友達、骸君。

「よしっ!電話してみよう」

そうおもって、内の黒い電話のボタンをプッシュしたのだった。



そして、結局みんな暇だったためにくることができた。

今は、ツナ君と骸君と一緒だ。
奈々さんは家光さんにお土産を買ってくんだって(あと、パスタって言ってたな)

「〜♪」

白いワンピースが、何処となく自分を可愛く見せてくれるような気がした。

「ねえツナ君、骸君、今日お昼何食べる?」

奈々さんはちょっと気になるカフェが合ったらしいから、そこで食べるんだって。
だから、二人に振り向いて聞いてみる。

「そうですね、パスタなんかどうです?」
「(なっ、俺が言おうとしたのに!)」
「パスタ…か、いいですね」
「ね、ねぇ、ピザとかは!?」
「あ、いいかも」
「(綱吉君は黙っててください)」
「(別にいいだろ)」


嬉しくて、両手で笑みを隠す。
ああ、なんて楽しいんだろう!



結局、パスタにしちゃった。

「おいし…」
「これあげようか?」
「(なっ、綱吉君、それは君が使っていたフォークでしょう!!?)」
「え、うそ、ありがとう!」
「ううん」
「(チッ)」
「(ふふん、どーだ骸)」


美味しいなぁ。
お店はなんとなく雰囲気のある場所で、
ちなみに今は外で食べている。

うん、なんかいい感じ!



あ、お花屋さん。

「綺麗〜」
「〜〜!」
「へ?な、何言ってるの!?」
「一つ、貰っていきますかと聞いていますよ」
「(そういえばアイツイタリア語はなせるんだっけか…ちょっと俺も勉強してこればよかった)」
「嬉しい!じゃあ貰います!」
「(可愛らしいですね…)」
「骸君、ありがとう!」
「いえ」
「(いい気になりやがって〜!)」



「ねぇ、そういえば写真一枚もとってないよね、
取ろうか!」
「あ、そうだね!骸シャッターお願い」
「(何で僕なんですか!)」
「よし、じゃあ、そこバックに撮ろう!」

カシャリ、と気持ちのいい機械音がなる。

「じゃあ次は骸君、一緒に撮ろう?」
「ええ」
「…ってわわ!骸君ちょっと近い!」

骸君かっこいいから顔がほてるよ!

「(アイツなにに近づいてるんだよ!)」
「つ、ツナ君!早く撮ってよ〜」
「あ、う、うん!」

次は負けないからな!骸!
こちらこそ、は渡しませんよ。




ふぅ。

白いハイヒールの踵が鳴る。

ちょっと奮発して新しいの買ったから靴ズレしちゃったし。
痛い。

ハイヒールを脱ぐと、

「わ!」

バンソーコーを貼ったところから少しだけ血がもれたのか、少し赤くなっていた。

「あーあ…」
「どうしたんです?」
「む、骸君!」

びっくりしたぁ!そう言うと骸君はすみません、と言って笑う。

「あれ?それ何?」
「バンソウコウですよ」
「えっ」
「クフフ。気付いてましたから。
足、出してください」
(無理、しないでください)

サッカーボールを蹴るような体勢になるものの後ろに倒れそうになる。

「肩につかまっててください」
「う、うん」

中にスパッツは一応はいてるから大丈夫…。

なんとなく、この体勢が恥ずかしいや。
骸君は顔を上げて、
「終わりましたよ」というと綺麗に笑う。

「あ、ありがと」
!」
「ツナ君!どうしたの?」
「靴ズレ…」
「あ」

ツナ君は私の前にしゃがんで背中を向ける。

「乗りなよ」
「へっ!?べ、別にいいよ!私重いし!」
「いいから!」
には、痛い思いして欲しくないよ)
「…う、うん」

おずおずと手を伸ばしてしっかり捕まると
ツナ君は立ち上がる。

「(以外…と力有るんだ)」
「さて、今日は帰りましょうか」

そう言って骸さんは私のポシェットを持つ。

「あ、むく「持ちますから」
「あ、うー…」

とりあえず、甘えておく事にしよう。
そう思ってツナ君の背中に抱きつく。

ふたりが、なにかをぼそりとくちばしった。





「Ti amo」





シンデレラの魔法