「外へ出かけましょう」
「はい?」
まただ。
*
。それが私の名前だったりする。
…私は執事をしているのだが、
どうもこの主人―骸―は何を考えているのか分からない。
…と考えながら、服を着替える。
『ついてくるのではなく、一緒に出かけるんですよ』
…。
何を考えているのだろうか。
*
さっさと服を着替えたに骸は声をかける。
「では行きましょう」
そういえば、何故、敬語なのだろうか。
別にいいのだが…。
まぁ、とやかく言うことではないな。
は全体的に黒っぽい服装だった。
そんなに派手な色は似合わないし、何より執事なのだから、
其処まで目立つ理由も無い。
「どこまでいくのでしょうか?」
「クフフ、公園ですよ」
…公園?
あ、また一つ不自然なことに気がついた。
私は背が低い。
いや、普通には高いのだが、少し骸が高い。
普通、執事なら高い背の方が…
偏見か。
*
…どこまでいくのだろうか。
「大丈夫ですか、」
「いえ。骸様は?」
大丈夫です、と言って笑う。
と言うより、先に自分がこういうのは聞かなければいけないはず…
ああ。もう考えるのはよそう。
道が変わってきた。
先ほどまでは土の感触があった。
下を見れば、
黒と灰色の市松模様のコンクリートだった。
その時だった。
ポツ、ポツ
雨、だ。
今は小降りだ。
帰った方がいい。
「着きましたよ」
はっとして顔を上げれば、公園がある。
公園、と言うより、ただの空き地にも見えるのだが。
「行きますか」
「え」
骸様は私の手をとり、踊るようにして公園に入っていく。
「むくろさ「」
……?
「こういうのもいいでしょう?」
はぽかんとすると、ふ、とわらった。
そしておちゃらけたようにいう。
「骸様のわがままに付き合いましょう」
キラーチューン
(クフフ、を誘うのは大変でした)(これでも緊張しているのですから)