「外へ出かけましょう」
「はい?」

まただ。



。それが私の名前だったりする。
…私は執事をしているのだが、
どうもこの主人―骸―は何を考えているのか分からない。

…と考えながら、服を着替える。

『ついてくるのではなく、一緒に出かけるんですよ』

…。
何を考えているのだろうか。



さっさと服を着替えたに骸は声をかける。

「では行きましょう」

そういえば、何故、敬語なのだろうか。
別にいいのだが…。

まぁ、とやかく言うことではないな。


は全体的に黒っぽい服装だった。
そんなに派手な色は似合わないし、何より執事なのだから、
其処まで目立つ理由も無い。

「どこまでいくのでしょうか?」
「クフフ、公園ですよ」

…公園?
あ、また一つ不自然なことに気がついた。

私は背が低い。
いや、普通には高いのだが、少し骸が高い。

普通、執事なら高い背の方が…
偏見か。



…どこまでいくのだろうか。

「大丈夫ですか、
「いえ。骸様は?」

大丈夫です、と言って笑う。
と言うより、先に自分がこういうのは聞かなければいけないはず…
ああ。もう考えるのはよそう。

道が変わってきた。
先ほどまでは土の感触があった。
下を見れば、
黒と灰色の市松模様のコンクリートだった。





その時だった。





ポツ、ポツ

雨、だ。
今は小降りだ。
帰った方がいい。

「着きましたよ」

はっとして顔を上げれば、公園がある。
公園、と言うより、ただの空き地にも見えるのだが。

「行きますか」
「え」

骸様は私の手をとり、踊るようにして公園に入っていく。

「むくろさ「

……?

「こういうのもいいでしょう?」

はぽかんとすると、ふ、とわらった。
そしておちゃらけたようにいう。





「骸様のわがままに付き合いましょう」





キラチュ
(クフフ、を誘うのは大変でした)(これでも緊張しているのですから)