!オレの服って何処だっけ!」
「その椅子の上にありますよ」
「え、あ、わぁ!あつっ」
「大丈夫ですか?」
「う、うん…」

ああ、もうなんでこんなにオレはダメツナなんだろう!



…ちゃんとたたんでおいた服が見当たらなかった。
昨日何処へやったのだろうか。

!オレの服って何処だっけ!」
「その椅子の上にありますよ」

あ、ホントだ。
少し駆け足で椅子へと向う途中、顔面から転んでしまった。

その拍子にテーブルクロスを引っ張ってしまう。
が用意していた朝の紅茶が宙を舞って、
いい香りのお湯が頭の上から降り注ぐ。

「え、あ、わぁ!あつっ」
「大丈夫ですか?」
「う、うん…」

は落ち着いた顔でハンカチで紅茶をぬぐっていく。
少し冷めていたようで、すぐ熱さは消えた。

せっかくたたんでおいた服は見事に濡れているのだ。

「どうしましょうか」

実はここ最近、雨がよく降るため、
洗濯物が早く乾かないのだ。

代えの服が無い。このままにしてしまえば、当然風邪を引くだろう。

「ご、ごめん…」
「別に気にしていませんよ。ズボンはあったはずですから、
私のシャツを貸しましょう」

そう言っては自室へと向った。



体格が違うので当然綱吉にはぶかぶかだったシャツ。
腕まくりをして、少し気まずく紅茶を飲む。

はたった今、濡れた服を洗濯し、帰って来た。


「…ねぇ、
「なんでしょう?」
「ごめん」
「…」
「いつも迷惑掛けて」
「…そんなことは無いですよ」

は柔らかく笑う。

「頼ってくれればいいんですよ。私は





執事なんですから」





Anything For You
(ほっとするんだ)(いつか離れていっちゃうかもしれないなんて思って)