風邪を引きました。
「うわあああああ、俺はどうしたらいいんだい!?」
「とりあえず風邪だから落ち着きなさいよアメリカ……」
そして運悪く、アメリカが私の家にやってきました。
さっきから部屋の中をうろちょろしては、私の手を握って色々確認してくるアメリカ。
ただの風邪だというのに、少し大袈裟だ。
大きな体を縮こませる彼は、少し滑稽にも見える。
ああどうしよう、と言ってくるくると回るアメリカ。
私はそれを見ながら体を縮める。少し寒い。
「……」
……だけれど、こうして心配されるのも悪くない。
アメリカも、なんかしおらしくて可愛いし。
少しだけにやつく顔を隠すため、掛け布団を口まで上げていたら、
アメリカが振り返った。
「俺、ご飯作ってくる!ちょっと待っててくれよ!」
「あー駄目だって……アンタは火ぃいじっちゃ駄目。……聞いてねえ」
私のダルめの静止も聞かず、キッチンへと向かっていったアメリカ。
このままではキッチンが死亡する。
しかし、私は風邪で体が絶賛重い。
出来る事なら、布団の中から出たくない。
「……しゃあない」
アメリカが私にベタ惚れ(これはフランスも言っていたので独り善がりではない)しているのを
利用させていただく。
恥ずかしいけど……これで愛の深さかなんか計ってみるか。いや、結構知れてるけど。
私は、大根役者も目ではない棒読みでセリフを吐いた。
「あーアメリカに傍にいてほしいなー。……アメリカと手をつなぎたいなー!」
あんまりの恥ずかしさに、途中からやけくそになりました。
……どういう反応するかねえ、あの子。
お、何故かバックして戻ってきたぞ。本当、面白いお人形みたい。褒めてますが何か。
アメリカがくるっとターンして、こちらに笑顔を向ける。
うわっまぶしっ。
「本当かい!?」
「うん、本当本当。ご飯よりもアメリカと一緒にいたいー」
「分かったよ!」
快活に笑って、私の手を早速握るアメリカ。
なんかあいにーじゅーとかあいらびぃーとか聞こえるけど空耳……だといいなあ。
あー……目の縁熱い。視界若干ぼやけてる。
「んー……」
眠い、な。
アメリカの手、ぬくいから。
「あめりか……」
「ん?なんだい?」
「……けっこうすきでし……おやすみ」
最後まで、しっかり呂律が回らなかった。
その後私は眠ってしまったので、彼がどんな反応をしていたかは知らない。
熱
ねつ。