「ではまず、水槽を想像してください。水槽の中には、金魚がいます。
その金魚は、外の世界、つまり水面から外界に接する部分から出るとやがて死んでしまうのです。
しかし! 逆に考えれば、そこさえ出なきゃ何したっていいわけです。

人間も同じです。金魚は人、外の世界はルール。ルールすなわち、法律校則エトセトラ……
それを破ったらお終いですが、それさえ破らなければ、何したっていいんですよ。まあ大抵の人が人目を気にしますが。

そしてロリコンも、ルールさえ破らなければアリなんですよ」

「いきなりかいつまむのやめよーぜ」

「なんか自分で話していてよく分からなくなりました。ていうか何故お題目がロリコンは許されるかなんですか。
ロリコンだったんですか、木曽川さん」

「いーや、僕は女子高生が好きだ」

「変態じゃないですか。貴方いくつなの」

「いきなり質問するのはルール違反だろハニー?」

「私ハチミツじゃないんで。しかも何ですかルールって。俺ルール的なアレですか」

「僕は二十三歳。ぴっちぴちの殺し屋さ」

「……北欧キャラみたいな帽子被ってて殺し屋とか本当に萎える……。ぴっちぴちが血の滴る音じゃないことを祈りたい」

「ま、この間会ったタロちゃんがロリコンだったってだけだよ。……そうそう、ルールって法律でもあるんだよな」

「ええ、まあ」

「でもお終いになってない僕の場合は? 結構殺ってるんだけど」

「……きっと、知らないけど、」





皆とは別の水槽だったんですよ
「あー、なーる。やっぱり友情と努力と勝利を踏襲する感じの水槽なんだな」
「……私に包丁突きつけてる時点でそんなオイシイ水槽にいませんよ。いっつも脅してきやがって」