「セバスーセバスー!」
「何ですか、騒が……










ああああああっ!貴方っ、その猫!何やっているんですか!
「むっふーセバス焦ってるー」

口に手を当てて笑うに殺意が沸きました。 byセバスチャン






















の持ち上げた猫は、セバスチャンがいつも餌をやっている猫である。
そこまではいい。





そこまでは。





「何で首を持っているんですかっ!可哀想でしょう!」
「何で?猫ってこうやって持つもんだよ」
「それでもです!」

セバスチャンは軽く膨れているの手から猫を奪い取り(かつ猫に乱暴しないように)、
開いていた窓から逃がした。





ちなみに一階なので、地面は近い。





はぱくぱくと口を開いて、猫の去った窓に駆け寄った。

あああああ!何すんのさ!?
「こっちの台詞です!こそ仕事は、終わったんですか!?」
「うるさいこのいやらしきセバスチャン!あのねぇ、私にはあの子を愛でるという使命があったの!
知りませんよ。というか、愛でるような持ち方ではなかったでしょう」

冷ややかな目でを見るセバスチャン。
はそんなセバスチャンにどこぞの不良よろしくガンつける。

「…何で対抗するんですか
売られた喧嘩は買う主義じゃコラァ!
売ってませんから

口調までヤのつく自由業らしくなってしまったに、セバスチャンはいい笑顔でツッコミを入れる。

「それより、早く仕事へ行きなさい。
貴方は、他の人より0.3くらいは役に立ちますから」
キイイイ!ムカツく!役に立ってないんだか立ってるんだか分かんないじゃん!」
立ってませんよ
「は、腹立つ!もうこっから動かん!
どこのオジサンですか

はスカートを大きくめくって、あぐらをかき床に座った。
セバスチャンは、やれやれと溜息をついた。

「勝手にしなさい。もう私は仕事に戻ります」

運良く、この廊下は掃除が終わっていた。

セバスチャンは、にくるりと背を向けると歩き出した。










が。










ガシッ
ブチッ


いっ!
待て待て待てええええ!

がセバスチャンの少し伸びた髪を引っ張った。

「ちょっ、ちょっと離しなさい!抜けるでしょう髪が!





寧ろ抜けただろ今!
セバス、敬語敬語
「嗚呼…じゃないですよ!」

振り返ったセバスチャンに、はぱっと手を話した。





手から、ぱらりと数本髪が落ちる。

ああああああ!やっぱり抜けてるじゃないですか!」
「うっさい!こんくらい気にすんな男だろ!ついてんだろ!?
何がついてるのかとかあえて聞きませんけど普通怒りますからね

さりげない下ネタにセバスチャンの米神がひくひくと引きつる。
はふん、とそっぽを向いている。

「……大体、何ですか」
「そう!お前さ、普通あそこはヤケになって説得するトコだろ!?」
知りませんよ

むきー!とが地団駄を踏む。
少しだけ地面が揺れた。

「ていうか、ていうか、説得しないと私あそこで銅像のごとくとまったまんまじゃん!」
「いや、動けばいいんじゃないですか」
「アホか!どうせお前、『クス…動かないのではなかったのですか?』とか言うんだろこの野郎!」
、鳥肌が立つほど似ているんですけど

セバスチャンが引き気味でを見る。
は「当たり前の事だもん」という。

「シエル様だって、『あの執事、この間いやらしいって言われてヘコんでたんだぞざまーみろ』って言ってましたしね」
今凄く何もかも破壊したい気分です

哀れシエル。

「……ハァ。とりあえず仕事に行きなさい」
嫌だもんプー
「(ブチッ)ふざけるのもいい加減にしなさい!大体プーの位置違うでしょう
普通嫌だプーでしょう!?





というかムカツきますシメますよ
きゃあああああヤードぉおおお(棒読み)

セバスチャンの怒りゲージはついに度を越え何かが崩壊した。

「ぷっ、セバスおかんみてぇ」
ぶっころ……いえ、襲いますよ!」
ぎゃああああ!!!そっち本性かよキモッ!つうか今なんで言い換えた」

はセバスチャンをぎろりと睨む。
セバスチャンはを見下すようにして顎に手を当てた。

襲ってからでも殺すのは遅くないかとクス)」
いやいやいや駄目だろ
「大丈夫です、跡形も無く消し去ってあげますから
「最悪!私の存在意義は!?
ありませんが何か
何かじゃねええええええ!色々とあるわ馬鹿もん!
「いっ!何故はたくんですか貴方は!」











わーわーぎゃーぎゃー










「わー、セバスチャンさんと仲いいなぁ」

フィニアン、どこをどう見たらそうなるのだろうか。
この後、フィニアンが二人が掃除をサボっている事をシエルに告げるのはあと少し。











「全く……昨日はのせいで一日潰してしまいました……坊ちゃんにも叱られましたし」
やーいやーい
だって怒られてたでしょう
私はほぼ毎日怒られてるしいいもーん





……





セバスチャンが哀れそうな目で見た。
はむっとして言い返す。

何!?その目はっ!
「いえ、はちょっと頭が大丈夫かと」
待てごらあああ!

はセバスチャンに掴みかかる。

「ちょっ、顔キモいですよ(引)
飛ばすよ?
「すいません……って、立場逆転してませんか
気のせい気のせい☆
「そうですか、きの……流されませんよ
流されてるじゃないか

はモップを手に取ると、ぐるりとまわした。
しぶきが舞う。

わっ!危ないでしょう!」
うっせえYO−
ムカつくのでやめてください
「嫌だYO−ぷぷ
殴り飛ばしますよ
お前の息子再起不能にするぞ
息の根止めますよ
「何故!?女だってこかn
ちょっと黙ってくれませんか貴方女性でしょう











口を塞がれたは、思い切りセバスチャンの手を噛んだ。











アッー!
「馬鹿め!ぬかるからじゃケケケてか声キモい
何キャラですか

はモップでビシリとセバスチャンを指す。

うふふ腐!これから私は生涯セバスに嫌がらせをする!」
「ちょっ……なんか字違いますしていうかなんでいきなり」
楽しいモン☆てへっ!
可愛くねぇ!
「セバス、敬語敬語
もう今更ですけど





はキラリと目を輝かせた。





ってことで隙アリイイイ!
ぎゃああああ!ちょっ、そんな汚いのをこっちに向けないでください!」
「うっせ!ちょっと顔整ってるからって調子乗りやがってグスッ
明らかに私怨ですよね!?

はぶんぶんとモップを振る。
セバスチャンはさすがというべきかそれを避ける。

「えええええっ、ちょっ、もしも頭に当たったりして即死になったらどうするんです!?
殺人者になりますよ!」
大丈夫大丈夫セバスなら
どこから沸いてくるんですかその根拠!
「大丈夫大丈夫………………………………………………上手く隠すから
黒ッ!










こうして、セバスチャンとの対決は、シエルが来るまで、
終わらなかったという。










……ちゃんちゃん。

落ちてませんからね!?っておわっ」
「セバス覚悟ォオオオオ!あははははっはばああああああああげふっごほっ
何でむせるんですか!?