「よーし、短冊全員にいったかー?」
大きな声が響き渡る。
先生の手には綺麗な水色の紙。
もうすぐ七夕。というか、明日です。
こんにちは、中本です。
只今皆で短冊かいてます。
え、私の願い事?
【金がほしい】
「おまっ、黒いな」
「…先生、プライバシーの侵害です」
「どーせ飾っちゃったら見えちゃうって」
「そういう問題ではないです。というか金がほしいのは愛する銀魂グッズのためです」
「勉強しろ」
「嫌と言うほどしてますよ」
そうきっぱり返すと城島君が「出来たれす!」と言って大きな音を立てて椅子から立ち上がりました。
空気嫁。じゃなかった読め。
「おーどれどれ、見せろ」
【にくがくいたい】
「…先生、私より無欲ですが何か寂しいものを感じませんか」
「…そうだなー。というか犬ー肉と食う漢字で書けーお前っぽいけど漢字使えー」
あ、城島君がいじけだしました。隅っこで。
のの字を書くなんて典型的な。
「せんせー俺もかけましたー」
「おーどれどれ?」
【香川に学校にきてほしい】
「…中本ーお前より偉いヤツ居るぞー」
「失礼な」
「教師やってて良かったわー俺泣きそう」
泣く真似をする先生にハン!と見下したように笑うと先生は「おまっ何それ!」と言いました。
知りません。
「せ、先生!僕も出来ました!」
「おー見せてみろ六道」
わー相変わらずのパイナポー(城島君が言ってた)ですね六道君。
柿本君が呆れてみてますけど。
【料理できるようになりたい】
「よーしがんばれよーははは」
「ちょっ、なんで先生そんな馬鹿にした感じなんですか!」
六道君怒ってるけどアレバカップルっぽい怒りだよね、効果音つけるなぷんぷん!みたいな。
自分で言ってて寒いのは分かってます。
というか、六道君の周りがピンクに見える。気がする。
気のせい…かな…当たり前か。
キラキラ願い事
翌日、教室の前におっきな笹が有りました。