頭上には大きな入道雲。
じーわじーわとどこに居ても相変わらず鳴く蝉。

「はい、お前等ちょっと聞けー!そこ話しなーい!
早くしないといろいろできんくなるぞ!」

拡声器片手のの前には、生徒が私服を着て座っていた。
楽しみなのか、声が小さくなっても、止む事は無かった。

「(しゃーねぇなー)よし!じゃあ、まずバスから荷物降ろしてもらったから、
各クラス自分のバスから荷物を取ってくる事。
絶対混むから、班ごと、順番にな。したら、まずフロント…ってか先生たちが居るのでそこに集合!
分かったな!」

はーい、はい、へーい、と皆ばらばらの返事をした後立って、
バスへと向かう。

先生」
「何ですかー?」

話し掛けてきたのは時田先生。

「楽しみですねぇ…生徒もはしゃいで」
「んーまぁ、そうですね」

はしゃぎすぎて、なんか起こさないといいけど、とは苦笑する。
それに時田先生も同意する。

空は真っ青、そして、じりじりとアスファルトを焦がしていく。

例えば夏の思い出
「(あちぃ…)」