「今日で最終日ですね」
「そうだな、寂しいか」
「いえ、家に帰れると思うとほっとします」
「…可愛げのないヤツめ」
ぐりぐり、と先生が頭を撫でる。
「先生、髪がぐちゃぐちゃになってしまいます」
「おー?お前そんな頭してて…ま、いっか。オレもそんな髪型にしようかな」
「え」
「嘘だけど」
がっくりと肩を落とした。
臨海学校にきたというのに、何も無かった。
人生はやっぱり、うまくいかないものなのだろうか。
それでも。
貴方と、いつも通りの会話をすることが出来て、僕はうれしいんですよ。
ああ、何て、普通の日常だろう。
しかもすぐ隣には、
「先生」
「ん?」
「二学期も、宜しくお願いしますね」
「……おう」
貴方へ
「あ、後犬と千種も」「……わーってるよ」