体育祭辺りから溜まっていた負の感情は、ついに弾けた。

どんどんどんどん、よく分からないこの靄は自分を包み、
やがて全てを包み込んでいきそうで、





逃げた。





幻覚に教師の相手をさせておいて、屋上に来て不良の相手をするだけの日々。
要するにサボった。全て。





「…嗚呼」





前までは、負の感情を利用するくらいだったのに。





「どうして、でしょうね」





『俺はそんなに気にしてないし』





どうやったら、あんな優しい声を発する事ができるのだろう。





「あ、骸」
「!」





振り向けば、たった今思い浮かべていた人物がいた。





「お前…サボるなよ。今皆、教室で号泣中だぞ」

嘘をついた。





「…すいません、気分が、優れないので」





先生の表情が変わる。

「え?じゃ、おま、保健室いけよ!大丈夫なのか?」
「…」





それまで憧れだった気持ちが、嫉妬のようなものに変わっていく気がした。
この人の近くにいてはいけない。





「先生、」
「え、」





「ごめんなさい」





貴方の顔も見ていたかったし、
本当は幻覚なんて使って相手をさせたくなかったし、
合唱祭にもでたかったし、でも、





「お、おいっ、骸!?」





神様のヒマ潰し
もう、どうしたらいいんだ。