「買い物」

はぬくぬくとしていたこたつから突然立ち上がった。

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が、恭弥が服の裾をつまんで止める。

「ちょっと待ちなよ。もう夜だけど」
「…恭弥たちの衣服、生活道具が必要」
「明日でいいですよ」
「…」

は少し考えてから携帯を取り出しどこかに電話をかける。





「…」
【…か?】
「…そう」
【どうした、珍しいなお前が電話掛けてくるなんて】
「キョン、服を貸して」
【は?俺の?】
「そう」
【…なんか知らんが分かった。多めに持ってけばいいか】
「…うん」
【分かった、今行く】





ぷち、と携帯電話の電源を切る。

「誰に電話してたの」
「…友達」
「そうでしたか」

はもう一度こたつに入り込んだ。

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ピンポーン、とインターホンの音が鳴る。

は立ち上がると
玄関へと向かう。

「「…」」

残された二人はと言うと。





「誰ですかね…彼氏?」
「…それは無いと思うよ。あんなに無表情の子だし。
宇宙人だし」
「クフフ、失礼ですよ雲雀君。
確かに年齢を聞いたとき僕らより年上とは驚きましたが…
体に凹凸が無いですし」
「…僕は君のほうが失礼だと思うけどね」





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「…キョン」
「…、お前もそのあだ名で結局呼ぶのか」





「………」





「…分かったそのままでいいから無言はやめてくれ」

はこくりと頷く。

「これ、」
「…有難う」
「別にいいが何に使うんだ」





「…異世界人」





「…は?」

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事情を聞いたキョンは溜め息をつく。

「全くハルヒにも困ったものだな」
「…別に」
「お前も無理すんなよ、言いたいときはがつんと言ってやれよ」
「…分かった」
「じゃあな」
「…」

は頷くと、ドアを閉めた。
手にはしっかりと服の入った紙袋が握られている。

「あ、お話はすみましたか
「…」

は頷くと、こたつに紙袋を置く。

「…何これ」
「…服」
「ってことはさっきのは友達に借りてたんですか」
「そう」

恭弥と骸は顔を見合わせる。

「…有難うございます、
「…ありがと」





「…お礼なら別にいい。貴方達を呼んでしまったのはこちらの世界の責任」





はそう淡々と答えると、
コタツの上にある湯のみに手を伸ばして、
お茶をすすった。