「…どうします?」
「知らないよ」
「…貴方たちはそのベッドを使えばいい」
そう。
今は誰が何処で寝るかで軽くもめていた。
「でもの家ですし…」
「…私は構わない」
「そう」
そう言うと恭弥はそこにもぐりこむ。
「ちょ、ちょっと雲雀君!」
「煩いな、咬み殺すよ」
「…骸は?」
「…しょうがないですからリビングで寝ます」
「そう」
は音を立てずに廊下を歩く。
+++++
骸はソファで眠る。
は床で毛布に包まり眠る。
初めは骸も自分が床で寝ると言っていたが、
の無言の圧力に負けたのだった。
+++++
「…おはよう」
「おはよう御座います」
「ふぁ…おはよう」
朝。
はこたつにすわり白米と焼き魚を口に運んでいた。
「…あそこ」
「?ああ、朝食ですね」
の指さした先にはが食べているものと同じものがあった。
「…今日、買い物」
「分かってるよ」
ならいい、とは返す。
+++++
靴のつま先をとんとんと鳴らして
ドアを開ける。
なかなか顔の整った少年二人に、
無表情の少女一人。
はたから見ると不思議な事この上ない。
デパートに入ってが向かったのは、
「下着…」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「?」
が男性用下着店にはいっていくのを止める骸。
は何?とでも言いたそうな雰囲気だ(無表情なので)。
「少し、は此処で待っていてください」
「…何故?」
「何でもいいですから」
「…何でも?」
「はい」
「……分かった」
骸と雲雀はほっとして、店に入っていった。
+++++
「…後は?」
「服とかは買ったからね。それ以外のもの。
…はぁ、まったく群れが多いし早くでたいよ」
「…分かった」
は前だけを見て無表情で歩く。
「…は?何か買わなくていいの?」
「……………本」
「本?本屋でいい?」
「…」
はこっくりと頷く。
なので
最低限必要なものを買った後、本屋へ。
「…」
はハードカバーの本を手にとって、読む。
次に文庫本、ととりあえず手に取った物を読んでいるようだった。
「雲雀君」
「…ハァ、なんだい?」
雲雀は疲れたように返事を返す。
「、本を雑食に読むんですね」
「?」
「だってさっきは経済的なものを読んでいたのに
今はホラーのあるコーナーですし…あ、次はブログ本ですね」
「…」
少し呼んでは本を閉じ、別のコーナーへいくを二人は見つめる。
「…楽しそう、ですね」
「…僕も思った」
少し二人は自分たちも気付かないうちに笑っていた。
+++++
「…はぁ、疲れた」
「クフフ、体力無いですね」
「うるさいな、群れは嫌いなんだ」
はこたつにことりと湯飲みを置く。
「あ、今日はベッドで寝させてもらいますからね!」
「…勝手にすれば」
「なっ」
「…すれば」
「まで!」
今日はどこか、
が楽しそうだった。
そう思うのは、
自分たちの気のせいだろうか。