「…友達」
「…来るの?」

はこくりと首を前に傾ける。

「この前の人ですか?」
「…違う」

なんとも続かない会話を3人でしていると
インターホンがなった。

+++++

「…お邪魔します」





「「…」」





二号。二人はそう思った。
無口で、無機質な声。

「えっと…、彼女は?」
「私と同じ、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」
「…つまり宇宙人だね。名前は?」

恭弥が聞く。
帰ってきたのは無表情な顔に合う声。

「……長門有希」


「…ええと六道骸です」
「…雲雀恭弥」


こうして、何ともいえない無言に近い1時間が始まったのだった。

+++++

「…ねぇ六道」

恭弥はこそこそと話し掛ける。

「あの二人って話す事無いんじゃないの」
「確かにしりとりみたいに単語だけ投げかけてそうですよね」
「「(気まずい…!!)」」

はコタツに湯飲みを置く。
いつもより、一つ多い。

「…本」

有希がそう零すと、
は大きな本棚から本を一冊出す。

「…有難う」
「…別にいい」

「「…」」

どちらがどちらなのか。会話がごっちゃになりそうだった。

二人は各自コタツから立つと、の大きな本棚を見て、本を探す。
本を一冊手に取ると、二人はコタツに入り、本を黙々と読み始める。
は薄めの文庫本。
有希は大きなハードカバーの本。ちなみにシリーズもの。

無言で黙々と読みつづける二人を見て、
骸と恭弥は顔を見合わせたのだった。

+++++

…長かった。

二人はほぼ同時に本を読み終えた様子で、
パタン、と有希のハードカバーの本を閉じる音がした。

「…長かったね」
「そうですね。沈黙の重みでしたね」
「息が止まるかと思った」
「同感ですね」

が。

二人は互いに持っている本を交換し、また読み始めた。

「「…」」

どうしようもないので、とりあえずその場を二人は立ち去った。

+++++

「どうする?」
「そうですね…まぁなんだかんだいってもが楽しそうですから。
無理に追い返せませんし、夕ご飯でも作ってますか」
「ハァ…」

恭弥は溜め息を一つ零し、骸は苦笑したのだった。

+++++

「…じゃあ」
「…」

手を振る
有希は帰っていった。

無表情なの顔も、どこか雰囲気はやわらかかった。

「…」

扉を閉じ、リビングに戻るとコタツのうえにすでに食事が並んでいた。

「…骸と恭弥?」

そう疑問に思っていたとき、二人がリビングへやってきた。

「何突っ立ってるの、食べるよ」
「クフフ、僕たちが作りました」
「…」

はコタツに座ると「………有難う」と小さく言った。

「いいえ、では」

「「いただきます」」
「…頂きます」

和食なので華やかさに欠けるといえば欠けるが、
どことなくは嬉しそうだった。

「…美味しい」
「!おや、そうですか」

骸は感想を述べたに驚きながらも
内心喜んでいた。

「そういえば、あの子って君と同じ宇宙人だよね」
「…そう」
「なんで知り合いなの?一緒にいたとか?」
「…SOS団で知り合った」
「…ねぇそのSOS団って前から気になってたけど何?」
「あ、僕も聞きたいです」

は箸をお茶碗の上に置き、淡々と話す。

「貴方たちがこちらに来る原因となった涼宮ハルヒによる
世の中の不思議を探索する団。
通称、世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団
団員は涼宮ハルヒは気付いていないが宇宙人、未来人、超能力者で構成されている」
「ああ、部活みたいなものですか」
「…みたいなもの」

はそう言うと、箸を持ち、また黙々と食事を続けたのだった。