「…友達」
「…来るの?」
はこくりと首を前に傾ける。
「この前の人ですか?」
「…違う」
なんとも続かない会話を3人でしていると
インターホンがなった。
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「…お邪魔します」
「「…」」
二号。二人はそう思った。
無口で、無機質な声。
「えっと…、彼女は?」
「私と同じ、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」
「…つまり宇宙人だね。名前は?」
恭弥が聞く。
帰ってきたのは無表情な顔に合う声。
「……長門有希」
「…ええと六道骸です」
「…雲雀恭弥」
こうして、何ともいえない無言に近い1時間が始まったのだった。
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「…ねぇ六道」
恭弥はこそこそと話し掛ける。
「あの二人って話す事無いんじゃないの」
「確かにしりとりみたいに単語だけ投げかけてそうですよね」
「「(気まずい…!!)」」
はコタツに湯飲みを置く。
いつもより、一つ多い。
「…本」
有希がそう零すと、
は大きな本棚から本を一冊出す。
「…有難う」
「…別にいい」
「「…」」
どちらがどちらなのか。会話がごっちゃになりそうだった。
二人は各自コタツから立つと、の大きな本棚を見て、本を探す。
本を一冊手に取ると、二人はコタツに入り、本を黙々と読み始める。
は薄めの文庫本。
有希は大きなハードカバーの本。ちなみにシリーズもの。
無言で黙々と読みつづける二人を見て、
骸と恭弥は顔を見合わせたのだった。
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…長かった。
二人はほぼ同時に本を読み終えた様子で、
パタン、と有希のハードカバーの本を閉じる音がした。
「…長かったね」
「そうですね。沈黙の重みでしたね」
「息が止まるかと思った」
「同感ですね」
が。
二人は互いに持っている本を交換し、また読み始めた。
「「…」」
どうしようもないので、とりあえずその場を二人は立ち去った。
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「どうする?」
「そうですね…まぁなんだかんだいってもが楽しそうですから。
無理に追い返せませんし、夕ご飯でも作ってますか」
「ハァ…」
恭弥は溜め息を一つ零し、骸は苦笑したのだった。
+++++
「…じゃあ」
「…」
手を振る。
有希は帰っていった。
無表情なの顔も、どこか雰囲気はやわらかかった。
「…」
扉を閉じ、リビングに戻るとコタツのうえにすでに食事が並んでいた。
「…骸と恭弥?」
そう疑問に思っていたとき、二人がリビングへやってきた。
「何突っ立ってるの、食べるよ」
「クフフ、僕たちが作りました」
「…」
はコタツに座ると「………有難う」と小さく言った。
「いいえ、では」
「「いただきます」」
「…頂きます」
和食なので華やかさに欠けるといえば欠けるが、
どことなくは嬉しそうだった。
「…美味しい」
「!おや、そうですか」
骸は感想を述べたに驚きながらも
内心喜んでいた。
「そういえば、あの子って君と同じ宇宙人だよね」
「…そう」
「なんで知り合いなの?一緒にいたとか?」
「…SOS団で知り合った」
「…ねぇそのSOS団って前から気になってたけど何?」
「あ、僕も聞きたいです」
は箸をお茶碗の上に置き、淡々と話す。
「貴方たちがこちらに来る原因となった涼宮ハルヒによる
世の中の不思議を探索する団。
通称、世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団
団員は涼宮ハルヒは気付いていないが宇宙人、未来人、超能力者で構成されている」
「ああ、部活みたいなものですか」
「…みたいなもの」
はそう言うと、箸を持ち、また黙々と食事を続けたのだった。