日常の変化。
それは突然起こる。

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「…いってきます」
「いってらっしゃい」
「気をつけてくださいね」

いつも通り、を見送る二人。

「さて、掃除でもしますか」
「…君、普通になったよね」
「…雲雀君こそ」

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「…」
「おはよ!」
「……おはよう」

ハルヒが、の机に手をついて、
本を読んでいるに話し掛ける。

「ねぇ、みくるちゃんに新しいコスプレさせようと思うんだけど
何がいいと思う!?」
「……」
「例えば…ナースとか、セーラーとか、警官とかもマニアックでいいと思うの!」
「……いい」
「やっぱりそうよねーっ!どれがいいと思う?」
「…ナース」
「あ、やっぱり?みくるちゃんって天使って感じだもんね!」
「……感じ」

それを遠くから眺めるキョンは「(何気に会話が成立している…!!!)」
と思っていた。

「おはよっ!さん」
「…………おはよう」

に声をかけてきたのは、下妻 友枝(しもつま ともえ)。
明るく、綺麗な少女だ。

「涼宮さんもおはよっ!」
「…おはよう」

の前だからか、いつもは挨拶を返さないハルヒは小さくぼそりと返す。
は、ぱたんと本を閉じると、次の文庫本を読み出した。

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!一緒にご飯食べましょ!
みくるちゃんも連れてきたし!」
「ふ、ええ〜」

ハルヒの手にはみくるの手がしっかりと握られていた。
元々みくるはと食べに来たのだが、ハルヒに運悪く見つかり、強制的につれてこられた。

「…無理」
「なんでぇ!?」
「…用がある」
「……そう、みくるちゃん、じゃあ一緒に食べましょ!」
「えぇ〜っ!」

の目線は、一つの空いた席に向いていた。
そこは、早退した友枝の席だった。

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「ごちそうさまでした」
「パイナッポーにしてはまぁまぁだったよ」
「…失礼ですね」

昼ご飯を終えた二人は、こたつに入り、ぬくぬくとしていた。

昼ご飯を作るのは当番制で、
今日は骸だった。

…帰ってきませんかねぇ」
「…そうだね」

特に会話もそう交わさないが、なんとなく落ち着く。
それは二人とも同じだった。

「……、意外と可愛いよね」
「…何言い出すんですか雲雀君」
「うるさいな。でもそうでしょ」
「まぁ、顔は(見えないので)置いといて性格が、ですよね」
「うん」

初めは分からなかったが、小さく表情の変化があることに気付いた。
しっかり笑わないけれど、嬉しくなっていること等が分かる。

「小動物みたいだよね…」

そう、恭弥がいったときだった。





ピンポーン





「「…」」

インターホンがなる。

「…宅配便?」
「ですかねぇ…」

骸が玄関へ向かい、ドアを開けると、其処には





「始めまして、さんのお兄さんですか?」





友枝がいた。
礼儀よく頭を下げる姿、笑う顔から骸はぼうっと

「(宇宙人…ではないですね)」

と思っていた。

「ああ、それで…えーと」
「あ、すいません。さんの友達の下妻 友枝って言います」
「ああ…」

友達にしては「さん」とは、他人行儀だと思ったが、
の性格からすればそれも仕方ないだろうと思った。

「とりあえず、いませんけど上がります?」
「あ、すいません…今日は
午後の授業が短めなんですけど…きっと涼宮さんたちといるんですね」
「…ああ(SOS団とやらですか)」
「じゃあ、お邪魔します」

靴を脱ぐと、友枝は靴をそろえて、頭を下げる。
骸の後を、小さく付いてくる友枝。

骸は、





「(…普通の友達いたんじゃないですか)」

などと考えていた。