うぅ…。

Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜

うぁ…っ、もっ、や…





がばり。





近くから聞こえる声に、元脱獄囚の三人は目を覚まし、起き上がった。

声の発生源であるに千種と骸は四つん這いで近づき、
犬は立ち上がって上から様子を覗き込む。

「…
「…うなされてますね

髪の根元から吹き出た汗が、の髪の根本をぬらしていた。

ー?おーい、ー?

犬が声をかけながら、ぺちぺちとの頬を叩く。
は唸りながら、眉根を寄せ、目をうっすらと開いた。





っ……!





それから、がばりと腹筋を駆使して上半身を起こす。
ごくり、と唾を飲んでから、不安げに周りを見渡した。


千種…?犬ちゃん…骸…






どうしたのですか、という言葉を骸は飲み込んだ。
もしも、触れて欲しくない話題だったらどうするのだ、と。





、だいじょうぶれすか?
「あー…うん。千種も、ありがと」
「…別に

背中をさする千種に、自分を心配してくれる犬に、は弱々しく笑った。
犬はふと、質問を口にする。

「…何の夢見てたんれすか?
馬鹿犬

千種が小さく呟く。骸も小さく顔をゆがめる。
犬だけが、純粋に不思議そうな顔をしている。

は目を丸くしてから、小さく苦笑した。





修羅場、の夢





犬はそこで気がついたらしい。
はっとしてから、「…ごめん」と呟く。

は目をぱちくりさせてから、「何で皆そんな顔してんの?
と呟き、それから、ぽん、と手を叩く。





皆、なんか勘違いしてるね!
「「「………………………………は?」」」





にっこりと笑うに、呆気に取られる三人。
は人差し指を振りながら、解説をはじめた。





私、元の世界で漫画描いてたんだよねー。
んで、毎回毎回最後の方締め切りが近づいてきてさー

「…それが、修羅場、と?
うん

恐る恐る質問した骸に、はこくり、と首を縦に振る。





「あー懐かしいなぁ。時々腱鞘炎にもなったっけ…
全然ペン握ってないなー…





って、アレ?皆なんで寝てるの!?
起こしといてそれだけぇえええぇぇぇ!?






これはこっちのセリフだ!





男三人の心が重なった。































2009.2.24