ああああ…またかよ…(泣)
Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜
「…ビビッたー」
はい、こんにちは。
今日朝起きて(あ、家は空間の再構成で作りました☆)
さぁナルト達に会いに行くぞ!と思って
トイレはいって、んで、トイレから出たのね。
したら手がすけとって。
あれー?と思ってたら全身消えて、
「真っ暗なトコだなぁ…」
…どこ、ここ。
とりあえず咄嗟に空間の再構成をした私に誰か拍手を!
これでナルト界に混乱は起きないな!
今私はパジャマ姿で裸足。
そして屋上らしき場所にいる。
「紙に聞いてみるか…」
さらさらと質問を書き込めば、
じわり、と字が滲む。
:此処何処?
回答:”アフターダーク街”
「…あふたーだーくがい?なんじゃそりゃ」
After dark=日が暮れてから。
つまり「夜の街」?
なんだその歌舞伎町みたいなネーミング。
すると紙にまた文字が浮かんでくる。
「…この世界はもうすぐ消えます…ってハァ!?」
嘘ー!え、ちょ、え!?
ちょ、消える世界で力はもらえませんとかどうでもいいから!(よくない)
「ん?えーと、」
正確には消えるのではなく、一度すべて振り出しに戻ります。
そしてまた終わりへと向かっていくのです。
「…えーとですね」
:1巻から12巻まであるマンガの12巻まで読んだら
次はまた1巻を読むって事?
回答:…そうですね。
「…なんだそのタメ」
最近反抗期かよ!
そう思いながら、私は紙をしまって指を鳴らして服を変える。
まぁ、どこにおちるか分かんないしナルトの世界での格好で。
「んー…」
やっぱりここは屋上らしい。
緑色のフェンスに手をかければ、
少し冷たい風が頬を通り抜ける。
目をつぶれば、沢山の音が聞こえる。
目を開ければ、沢山の光が見える。
「…すごいなぁ」
こういうのを改めてみると、
凄い。
ビルやお店が所狭しと並び、
車は光の点になって蟻のように動く。
ここは普通の街らしい。
いや、実際に人とかと話したらトンデモ街かもしれないけど。
上を見れば、星は無く、
ぽっかりと月が寂しそうに浮かんでいた。
「都会…なんだなぁ…」
星が全然見えないもの。
ただ、風が髪を揺らして、
私の顔や首にぺしぺしと当たるだけ。
唇が乾燥する。
冷たさに、頬の感覚が無い。
もたれかかるように体重をフェンスに預ければ、
カシャン…と軋む音がする。
音はするけど、どこか遠くて。
「あ」
街中の光で少し明るい群青色の空から、
月のようにちいさな穴がぽっかりとあいて、
インクのように静かに黒があふれた。
目が離せない。
普通の黒じゃない。
これは、あの感覚と似てる。
「寝てる…時と、同じ」
寝てるのかおきてるのか分からないような。
でも、どこか安心するような。
「不思議…」
絵の具と同じ黒なのに。
その黒は丸の形に綺麗に広がって
街や月を飲み込んでいく。
「えっ、ちょっ、これ」
どうすんの!?(雰囲気ぶち壊し)
フェンスに手を当てようとした瞬間、手の感覚が無い事に気がついた。
す、透けとる…(ホッ)
「…なんか寂しい」
じい、と黒に飲み込まれていく世界を見る。
気が付けば、フェンスも少し下のほうが黒だった。
でも、私の体ももう3分の2くらい透けている。
「またね」
私はぽつりと呟いた。
世界が消えるとともに私も消えたのだ。
2008.1.6