さて。

Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜





ありがとうございましたー





お辞儀をして、お客さんを見送る。
さっきのお客さん、眼鏡だった…!萌へ!





あ、そうそう。





実は私、CDショップで働き始めました。
所詮アルバイトですな。

…夢ヒロインの様に歌手デビューとか無いなー。無いわー。
多分音痴では、無い、と思うけど。





べっ、別にポップンキャラに会いたいなんて、
思ってないんだからねッ!(※間違ったツンデレ)






よう





…。





「……ん、?





思わず目をゴシゴシ。

しかし、目の前のチビッ子…





基、MZDが消えることは無かった。
本気で末期症状の幻覚かとおm(略)





「……えーと、こんにちは」
はいこんにちは。どうだ?上手くやってるか?」
「………いやあの…何故ここに
風の噂で聞いたから

しれっと言うMZD。
不覚にも胸キュン。





MZDは頬を掻きながら、少し目線をずらした、と思う。サングラスで見えん。

「…あと、お前の名前聞いてねーなぁと思ってよ」

…。

「…そうでしたっけ」

MZDの名前を私が知ってたから、名乗ってなかったかも。
ていうか、不審者という身の程をわきまえて無意識に名乗ってなかったか。

「…えーと、です」

名字なんざポップンワールドで必要なのか分からないが、一応。
サトウさんいるし。

か、良い名前だな」
「…さいですか





普通に褒められた辺り社交辞令だな。
まぁいいか。





…。

「…」
「…」



あの。

「……えーと、何か買わないんですか?
お、押し売りか?
いやいやいや、何も言わず黙ってらっしゃるから!
ていうか用終わったんじゃないですか?失礼ですけど帰宅されてはどうですか?」
「…ん、まぁ

何その煮え切らない返事。かーちゃん怒るぞ!(誰がかーちゃんだ)





「営業妨が…





MZDに文句をいおうとした時、向こうからやってくる客に私は目を見開いた。
開きすぎて眼球落ちそうとか冗談をいっている場合ではない。










あれ、ナカジじゃね?










「…ーぃ、ー?
あれ、
ん?

MZDはくるりと半回転。
それから小さく「おお」と声を上げた。

おーい、ナカジー!






あからさまに顔をしかめたナカジだったあああああ!!(テンションMAX)





え、ナカジだよねやっぱり!あの学帽はナカジだよね!
やたらかつかつ煩いあの下駄はナカジだよね!
あの学ランはめがn…おっと失敬、ナカジだよね!?(興奮中)


脳内がパーリィ状態な私を差し置き、
さくさくと会話を進めてしまうえむぜっでぃー。





「(ナカジだぜひゃっほいいいいいいいうわああああああああああ)」
MZD…
「よう、久しぶりだな、数ヶ月ぶりか?」

何その会話ナカ神ですかナカ神ですかナカ神ですねひゃほおおおおう!(壊)





もうテンション上がって鼻血を吹く五びょ「邪魔だ、退け







ほぎゃあああああああああああ!!!





なかっなかなかなかナカジがMZDを押しのけて!
ナカジが目の前目の前目の前!

「…これ」
は、い!

ドモるのは回避!惨劇回避!
受け取ったCDがやたらと輝いて見える。





ふおおおおとみなぎりながら会計。
青い袋を渡すと、ナカジは小さく会釈して、出口へと向かっていった。





「………………………ナカジかっこよす!惚れた!
「…はぁ!?




















オレの時と反応違いすぎるだろ…
「いやー、久々に興奮してしまいましてな。ハッハッハ





夕暮れ道。





結局MZDは私のバイトが上がるまで、店内を出たり入ったりしていた。
なんだ、ヒマなのか、神様よ。

ていうかぶっちゃけナカジの件は、上手く行き過ぎて自分が怖いくらいだ。
もう予想外すぎた。頭パーンてなった。



あからさまに落ち込んでいるMZDに、微笑ましさを感じつつ、
ぽふぽふと頭を撫でておいた。





ら。





「っなっにすんだ!?
「…





顔を真っ赤にして私と距離を取るMさん。ついでに手on頭。
何、何か悪いことした?何でそんなヒロインみたいなリアクションを取るの?





ははーん。





子供扱いされたくらいで照れるとは





図星だったのか、こちらに歩み寄って口を開く神様。

悪かったな!
いえいえ

こちらとしては眼福だから全然悪くないよー。





…まぁ、夢小説ならここでMZDがデカくなって
「オレだって大人なんだぜ?」みたいなあだるてぃっく展開になるに違いない。






俺、妄想乙!(※頭が沸きました)





「…何にやけてんだよ
べっつにー





小石を蹴る真似をしながら、結局家に着くまでMZDと一緒だった。
その日はちょっと、楽しかった。






























2009.5.3