おおお……!

Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜

ぽこんっと吐き出されるようにPCからでました。





ら。





そおおおお!?

ガタンッンビタンッ





……回転椅子にぶちあたって鼻打ちました。

鼻血出てきたらどうすんねん……!!
「大丈夫ですか、さんっ」

良い声で心配してくれてありがとうよ。
……それよりも、今は人の足音が聞こえるのが気になるんですけど。





バタン!





私たちの後ろにあった木のドアが壊れるくらいに力強く開けられた。
反射的に私たちは振り向く。カイトの青い髪が視界にちらついた。










「…のわあああああああああああああ!?カイトォオオオオオオ!?










……銀縁の眼鏡かけた短髪黒髪の兄さんがおった。若ぇ。
スーツ着てるよ。萌える(うわぁ)
顔は地味めだが、私の好みじゃないか(聞いてません)

……というか私の存在は無視ですかそうですか。
いいよ、脳内変換してやるから。(嫌がらせ)





どうせ、カイトが好きだったんでしょ?そうでしょ?
でも二次元だからどうしようも無く毎日毎日切ない気持ちになりながら
会社いってたんでしょ?
夜とかはひt(お前)
そしたらある日突然愛しの人が目の前にいたんでしょ?
それでビックリドッキリしちゃったんでしょ?






……虚しい。(当たり前)

マスター!
「(あ、やっぱマスターさんなのね)」

後ろで嬉しそうに顔をほころばせてるカイトに、一瞬和んだ。
一瞬ね。
その後すぐに脳内妄想に変わっちゃったけどね。





嗚呼、悲しき腐女子の性。





なっ、おまっ、カイ……はぁ!?
「マスター?」
「マス、ターって…」

焦りまくりな兄さんはこっちに気付いたっぽく、
きょろきょろさせていた目線をこっちに向けた。

そして、目をもっと見開いた。

だ、誰……?
「(ですよねー)」

でもちょっと落ち着いたみたいだ。
いや、内心は混乱してるかもしれないけど。

とりあえず兄さんが落ち着くのを待ってから、私はいろいろと話すことにした。




















「そ、そういうこと……」

分かってくれて嬉しいなぁ。
よしよし。

「ちょ、ちょっと非科学的な……」
「ちょ、あっさり信じてくださいよ!スポンジのごとく!

私だって原理なんか知らんわ!(投げやり)

……この人上門翔太さんって言うらしい。会社員らしい。
あ、上門と書いてかみじょうって読むんだってさ。
本人が教えてくれた。可愛かった(※何かが失格)

「でも、カイトいるし……」


カイトはにこにこしたまま首をかしげている。
てめー可愛いぞ!(何)

その時、ぐきゅるるる〜という音がどっかから……





ていうか、翔太さんの腹から鳴った。








この人かーわーいーいーさっきから思ってたけどアレだよね、童顔?
小動物顔?真っ赤になって腹押さえちゃってかーわーゆーすー(黙れ)

やっぱカイマスもあr(無い)

「……と、とりあえずご飯食べない?お腹、すいてるでしょ?」
「いや、すいてるでしょって、そりゃあすいてますけど、
食べるものとかあるんですか?」
「…カップラーメンなら」





アホか!





そう思いつつも声には出さない。
いやだって個人の勝手でしょ?

でもさ、この様子からするとこの人偏った生活してそうだよね。
ひょろっとしてるし。あかんよそれは。

「……よしよしよし。んじゃあ、キッチン貸してください、カイトは食べる?」
え!?
「俺はアイスが」
却下。でもとりあえず食べられるわけね…」

とりあえず部屋のドアノブを握った。
後ろから焦った声が聞こえる。

「ま、待って!場所、分からないだろ。というか、何にも材料ないし」
「(やっぱり)大丈夫ですって、そこらへんは気合でどうにかします」
気合で!?

そんな風にぎゃーぎゃー騒ぎながら、台所はどこらへんなのか教えてもらった。




















「う、」





「「うまいッ!」」





「そりゃー良かったよかった」

レンゲを持って顔をほころばせる二人に私の顔も緩む。
ほらほらカイト、顔に米粒ついてるゾ!(うっぜ)

案の定、台所はぴっかぴかだった。
掃除したから、とかそういうピカピカじゃないもんね。

今日のえーと……夕飯か?は、かるーくチャーハン、スープ。
ちゃっちゃといけるもんね。例のごとく執事の力が役に立つんだぜ……!

「カイトは作り方覚えといてね」

「いやぁ、私もいつか消えちゃうからさ、その時はお母さん?みたいな」

割烹着着たカイト…うーむ、それもいいなぁ。
そんな妄想に悦楽していると。





二人がレンゲを持ったままピタリと一時停止していた。
相変わらず、カイトの口元に米ついてるけど。







「……そ、そんな!さん、どっか行っちゃうんですか!?
うぉっ





がしっと机を越えて二の腕をつかまれる。
顔近い!近い!近いって!





そんなことで赤面する私じゃないけどね!(おま)





翔太さんは食べるのを再開して、こっちを見ながら質問してきた。
てかカイトよ、そんな犬みたいな体勢でつらくない?(おま)

「そうなの?ちゃん」
まぁ、次の世界に行くーみたいな。
自分で決められないんですよ。ランダムでして

「そ、そんなぁ」

……カイトー、お前どうせ美味い飯目的だろ。
そんな感じしない?あれ、しない?(誰に聞いてんだ)

「あ、ちゃんと料理代とか、足りるようにお金置いてってあげますよ」
「あ、いや、別に、そういうんじゃなくて……」

うんうん、詰まる翔太さん可愛いなぁ(もうそろそろ自重してください)

カイトは結局、ずーんという効果音がつきそうなくらい落ち込んで
二の腕から手を離しチャーハンをもくもくと食べ始めた。





……おもいっきりそこだけ空気違うんですが。(あんたの所為だ)





……ちょっと撫でたくなったので、
自然に、自然にと思いながらカイトの青い頭を撫でた。
雰囲気変わらなかったけどね。

私も、ふう、と息を吐いてチャーハンを食すのを再開した。





その後、手作りアイスを与えたところ、
カイトの機嫌が少しなおったのは別の話。































2008.5.27