ふぃー。

Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜










「ごめんなさいねぇ」
「いえいえ」










私は今、とある甘味処の奥の部屋、布団の前にいる。
布団にいるのは、ここの奥さんで店主さん。今は病気で休んでいる。





そして、私はこの甘味処にて、働いている。




















甘味処。
BASARAファンにとってはこの時代の憧れじゃないかと思う。






だって甘味=幸村じゃんね……?(違う)





当然、この甘味処も、










「……いや、全然無いけどね」
「どうした姉ちゃん」
「いいえ?お茶のおかわりどうぞ」
「おお、わりいなぁ」










くそおおおおお!!!!!





甘味を頬張る幸村どころか、





買いに来るさっちゃんも
南蛮語につられてくる伊達男も
恋を語りにくる空気(こら)も















こねええええええええええええええ!






ほんっと夢ヒロイン的資格ねーな!
武蔵にすらあわねーよ!(おま)





本当…平和…
そうだなぁ…

おっちゃんが私に合わせて遠い目をしてくれたが、
ごめんねおっちゃん…。こんな私に…。





食べ終わったおっちゃんは立ち上がりお金を払う。
私は腰を曲げる。









ありがとうございましたー!

はちきれんばかりに顔を振り上げ、
青い空を仰ぎ見る。















でもかすがに会えたしいっか。
そう、思った。





……かすがだいすきー!あ・い・し・て・るー!(キモい)




















ここの奥さんは、病気だ。
だけど、私が、時と共に回復するように再構成した。

目の前の現実を受け入れられるほど私はヨイコじゃないのです。
ジュンスイって何よ。






そう結ぶ今日この頃。





「んー」
「…奥さん。大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫ですよ」





業務を終えて、部屋にご飯を持っていったら、奥さんが伸びをしていた。
ちょっと心配になりながらも、本人が大丈夫っていってるしいっか。
ちゃんと治るようにしてあるし。

奥さんが、私の手のご飯を見て笑顔を零す。

「本当にありがとう、さん。…娘がいたらこんな風なのかしら」
「いえいえ。でも私なんかが娘だったら結構疲れますよ」





腐だしな。





私が謙遜していると思っているのか、奥さんはクスクスと笑う。
……ん。





「私って、意外と夢見がちだったんですかね?」
えっ?





私の唐突な問いかけに、奥さんは目を丸くする。
私も唐突にそう思ったからねぇ。

でも。

「だって理想の人に会いたいって思ってるんですよ」
「…素敵じゃない?」





うーん。キャラなんだけどね。





奥さんは小さく笑みを零しながら、私のご飯を頬張る。

…私の力は内緒だけど、奥さんは喜んでくれる。




















かすがと別れた後。
私が働かせてくださいって言ったのも唐突だった。
私は奥さんが今、病気だって知らなくって。
中々、お医者も呼べないことも知らなくって。

けど、奥さんは無理に笑いながら「ありがとう」って言ってくれた。
私は、「存分に寝てください!」って奥さんを布団に入れた。

たとえ、キャラじゃなくったって。
大切な存在が出来るのは、少しだけ心地いい。


































2009.2.7