はぁぁ…。

Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜





「…毎日毎日、飽きませんねぇ…
そっかな?










はい、どうも、下っ端構成員が似合うです。おはこんばんちわ。










最近はずーぅっと慶次がお店に来るので、
もう諦めて少しずつ本性を出しています。だって面倒だし。
ていうか、慶次、他のお客さんと仲良くなっちゃったし。












別にそこまで慶次が嫌いってわけじゃなくてさー…。
ただ決意した次の日にやってくるって…出鼻くじかれた気分だったんだもん。





要するに拗ねてたわけね、私は。
…大人げねー。でもいいや。まだ未成年だし。












えー…今日は二人っきりだ。
ときめきなめもりあるはないけどね。断じてない。





もちゃもちゃと団子を咀嚼する慶次の隣りで、
私は太股に両肘をついている。
背中を丸め、前を半目で睨む。





「…慶次さん
ん?
さっきからこのお猿ちゃんが私の背中に這い登ろうと必死なんですけど





後ろを指差し、髪を掴もうとする夢吉を指摘。
慶次さんは「懐かれたんだね」と嬉しそうに笑っている。
いいんだけど背中が痒い。















穏やかな、昼下がり。
ぴーひょろろ、と鳶が鳴く声。















私は、小さく呟いた。「…………平和だ




















「…んー…





暖簾をくぐりながら、空を見上げた。
灰色に濁って、雲が多い。





雨、来るかな?





「…(ていうか、慶次こんかったし)」





もう旅立ったんかな?一言くらい挨拶していけばいいのに。
でもぶっちゃけ今日は雨が降りそうだし、
やめておいた方がいいんじゃなかろーか。






「…ま、関係無いか





へらへらとした顔を思い出したらちょっとイラッ☆ときたので
思考は放置する事にした。





今日、旅立つかどうかもわからないしね。




















凄い雨ねぇ
そうですねぇ










雨が戸を叩く音。
泥の、土の匂い。


そこにひびく、のんびり間延びした私と奥さんの声。





けど、私は雨が嫌いじゃない。
水物好きだし。海とか川とか。水族館とか。





二人して眠れず、天井を見つめる。
っつっても真っ暗で、ほとんど何も見えないけど。










うー…眠い…





冷たい布団を、ぎゅう、と握り締めて目を閉じた。
雨音が、妙に耳についた。





























2009.2.26