……。

Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜





…ん、あ





喉で詰まった息が鼻から抜けていく。
ゆるやかに、こめかみを流れていく水。
それがじんわりと、何かに染み込んでいく感覚。
















……え、この状況なんですか。





…、…?





これ、ベッド?何で寝てんの?
焦りながら寝返りを打ち、黙考する。
















確か……確か。
調子悪くってもう死にそうで、
何なの?馬鹿なの?死ぬの?」みたいに頭パーンってなって。





……なって?





「……やべ





あたまいたい。





先が思い出せない。
確か生と死の境界線をふらふら……あ、いや、冗談です。










ていうか何で私べっdガチャ
っうわっほわああ!?
え!?










いきなりドアが開いたので、ビビって起き上がったらよろけて頭を打った。
が、それより驚きが増してあんまり気にならない。





かすむ目を見開いて、入ってきた人物をテンパりながらも確認。





……え、わ、……ぁ?
「な、何だ?どうした?」





MZDでした。





「え、何このオチ……
ー!?





叫んだら一気に気持ち悪くなり、ぼふん、とベッドに突っ伏した。
MZDがツナよろしく叫んでいるが……お前、ビビらすなよ。





おまっ、寝てなきゃ駄目だろーが!
ホラーは苦手だモン……





……もうマジね、ビビった。
いきなりドアが開いたら幽霊か敵かと思うじゃんね。思うじゃんね。





私はドアの隙間とか
きっちり閉めないと寝れないタイプなんだよ……!(※顔覗いてそうだから)





……ていうか、MZDがいるってことは。





「……ぁ、じゃ、これ。MZDがベッドに運んでくれ、た?

目を向けると、MZDは二、三回頷いた。
……例の、魔法を使ったのか、な?

「おう、今日も夕飯たかろー、と思ってきたら、
お前行き倒れみたいになっててよー」
……

夕飯たかろうって……おまいさんは盗賊かチンピラか。

MZDは少し苦笑しながら、白いビニール袋を持ち上げた。
……あ、近くのスーパーのだ。エコバッグ持ってってないのか。もったいね。





市販のレトルト粥買ってきた。食うか?






…いやそんな恋人イベントとか考えてないよ。
ないよ。(大事な事なので二回言った)

ただちょっとキュンとはしました。
ほら、主婦っていうか初めてのおつかいくs(黙れ)





「…MZD
ン?
「……やばい、グッとキた。お願いします
「……おう」
「あ、あとお水……」





MZDは分かった、と呟くと、ひらひらと手を振りながら出て行った。











寝返りを打って、ぽふ、と顔を布団に埋める。





他人の看病か……小学生以来かもしれん。
にや〜と緩んでいく口角を押さえず、軽く布団を叩いた。






「……あ、ちょっとお腹減ったかも」






























2009.7.12