こってり一時間怒られた私(カイトは30分)乙……!!!

Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜





「……それじゃ、おやすみ」





翔太さんのそのセリフと共に、電気が消される。
今日は私とカイトで翔太さんをサンドして寝ます。所詮川の字。

……え?そんなに部屋でかいのって?





勿論ちょちょいのちょいっといじくったに決まってるじゃないか☆(うぜえ)





……つうかぶっちゃけ川の字とか何年ぶりだよ
テンション上がってきたわしょーい!
そうかそうか、これが修学旅行の女子ノリなのね。
私の時はもうすっかりぐっすり眠っちゃったから修学旅行でそんな体験無いよ!





「(うぉ〜むっちゃわくてかするじゃあないか……!
でも寝ないと明日に響くよね!)」





でもちょっと無理だ!むっちゃワクワク!オラ、ワクワクしてきたぞ!

……ううむ、でももうそろそろ落ち着かないとね、いい年だし。





「(……やべ)」





むしろテンション上がってきてなんか暖かいです、体が。
阿呆なことするんじゃなかった。これが深夜のテンsy「くー……





「!?」





こ、この声……というか声の大きさからしてカイトの……寝息!?
くーとか!くーとか!










聞いたことあったね……(遠い目)










そうだね……始めて出会ったとき、カイト寝てたもんね。
もうそろそろ馬鹿なことやめて、寝よ。

そう思いつつ、寝返りを打つ。

「……」
「……」
……
……
「……ちゃん、起きてる?
「……いえあー……





やっぱり翔太さんも起きてたし。





寝返りをもう一度打って、翔太さんに向き直る。
暗くて見えね。





「やっぱり、眠れないよね」
「てか寝てたので寝れません」
「うんうん」





二人でこそこそと、話をする。

それからふと、この世界に来たらやろうと思っていたことを思い出した。





「あの、翔太さん」
「ん?」










すいませんでした










しっかりと、謝罪を零す。
しん、と暗闇に静寂が戻る。

それから小さく、「どうして?」という問いかけが戻ってきた。





「や……あの、……Blue time。あんまり、過去曲より、伸びが無いって言うか、
……あの、すいません」
「……それは、ちゃんのせいじゃないんじゃないかなぁ?」
「でもやっぱり、それまで積み上げてきた、
翔太さんの形があったわけですよね」





なんか、それを壊しちゃった感じがして。
しかも、それがあんまり伸びてないのは、ねぇ。






「……なんでそういうこと言うかなぁ





はふ、と息が肺から漏れる音。





え、と?
「せっかく三人で作った曲なのに。俺は楽しかったよ?
ちゃんは楽しくなかった?」
そんなことないですけど、

ばふっ、と布団を叩く音。その音に、私のセリフは遮られる。

「……やーめた。この話やめよう。あの曲はいい曲でした!終わり!
「え、ええええ
「はい、黙る!
「……翔太さん、強かになりましたね……

そう言うと、翔太さんは苦笑しながら、「おかげさまで」と呟いた。





……なんていうか。
私は。





「(……怒られるの、怖かったのかねえ)」





怒られて、いろいろできたつながりが断たれるのが嫌で。
うーむ。まだまだ駄目駄目だぜ。
翔太さんへの信頼がなってないな。うん。反省反省。






「……あ、じゃあこの話が終わりなら、もう一つ、全く関係無い話を」
うん?
「……成績が落ちましたアッハッハ☆

いやー誰かに言いたかったんだよね、この言いようの無い気持ち。





「……え?





はいきましたよ雰囲気クラッシャーちゃんが!





空気からして、完璧に翔太さんは焦っている。
焦っているっていうか、困惑か。

「え、ちょ、待ってちゃん、ちゃんて前、好成績とか言ってなかったっけ…?」
「やーやっぱ授業受けないとこうなりますねえふはは
笑い事じゃないよ!?





つい声が大きくなったらしい翔太さんに、「しー」と声をかける。





「大丈夫っす。そんなにがたんと落ちたわけじゃなし。
ただ前から競り合ってた子が上に来ちゃったんですよ。あと、ニアミス?
……でも次は負けません」

ていうか、これからも。





「うーん……」
「なんすか?もう寝ていいですか?」
「うん、話切り出しといてそれは無いだろ。……いや。
なんかちゃんも大概強かになったなって」
「……おかげさまで





そう呟き、二人で暗闇の中、密やかに笑いあった。






























2009.11.4