……あれ。

Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜

暇だなーと思いつつ、雨が降っている外を見ていた。





ら。





「(あの黄色は……)」





慶次(多分)が雨に打たれて黄昏ていた。
何やってんだあの馬鹿。





手ぬぐいをひっつかんでから離して(この状況で手ぬぐいを持っていったらぬれる)
外に出た。




















「……やっぱり





慶次だった。





ざーざー、という音にかき消されて、慶次は私に気がつかない。
私は眉根を寄せて、慶次に近寄った。

口を開いて、声をかける。
手を、ゆっくりと伸ばす。


あの、










ぱしん。










伸ばした手が。
弾かれた。

誰に?
慶次に。






「……」
「……















……このヤロオオオオオオォォォォオオ!!!!!!!
こっちが心配して下手に出てやってるのにやってるのに!





いい加減にしろこんちくしょー!
!?おわっ!わわっ、ちょっ、ちゃん!?





ぐいぐいと首根っこを引っ張って(神楽ちゃんの力だ)
とりあえず中に入れた。




















「全く……馬鹿ですね」
「……心配してくれたのかい?
あんなトコにいて心配しない人はそんなにいないと思います

いつもみたいににやにやしているが、顔が少し翳っている。
全く。

「……黄昏るのもいいですけどね。場所を考えてください場所。
あんなトコにいたら風邪を引きます」
「……そうだな」

あしたのジ○ーのごとくうなだれる慶次。
え、シリアスを続行させろって?無理だよ。(即答)





仕方なく、話を聞いてやる事にする。
もちろん、強制じゃない。話したいと思っているかもしれないから、聞くだけ。





「……何かあったんですか?
何にも無い。ただ、昔のことを思い出してた
……

ふむ。ねねさん関連と見た。

「そうですか。……辛かったんですか?
「……ああ
「……辛かったんですね





……いけね。言ってて涙出てきた。





「……大変でしたね

まるで知っているかのように。

「……ああ
「……辛い、です、ね

甘く、ささやくように。

「……ああ……って、、ちゃん……?
「……





私は泣いていた。
彼が辛いってことに、共感しているわけじゃない。私は私は。

ごめん、なさい。私は。あなたの事を知りません。
だから、共感してあげる事も出来ない。





けど、





辛い気持ちだけは、分かる。





「……さっき、
「……、
慶次さんに手を振り払われた、時。本当は、怒ったのもあったけど、
すっごく、泣きたか、た


どんなに愚痴があっても、イラつく事があっても。
暇を潰してくれた、楽しい相手だったから。





悲しかった。





辛い気持ち、量は違うかも、しれない。質もそう。
けど、分かります。辛い、っていう感情が






……やべぇ鼻水出てきた(雰囲気クラッシャー)





「……ごめん
「……いえ。勝手に、やってるだけですので
「女の子泣かせるなんて……最低、だね」
いえ

首を振った。
喉で詰まった。






辛いのは同じ。
だからこそ、共有がある。
量も質も関係無い。






今、一番辛い、ということが、共通さえしていれば。
それは、共有する事ができるはず。






そう、思っただけだから。






























2009.3.12