ぷはーっ、食った食った!(おま)

Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜

「ご馳走様でした」
「……なんだそれ

あ、そっか。ここイギリスでしたね。あっちもイギリスだったけど。

「挨拶っす。……美味しかったですか?」
「ま、まぁまぁだな!」

素直になれよ☆(何様)

何よりそのからっぽの皿が証拠じゃないか。
てかよかったよ口に合ってくれて。

「んじゃ、私はこれで」

ゆっくりと腰を上げた。





ら。

は!?
ぅお!?

がたん、と席を立ったイギイギ(こら)に思わず私も驚いて腰を下ろしてしまった。
……つうか尻打ちましたが。痛い。





な、何、何でそんな鬼気迫る顔すんの!?(ヘタレビビリチキン)





「……え、と?」
「おまっ……さっきの嘘なのか!?帰るところ、無いんじゃないのかよ!

がし、と二の腕をつかまれる。
……ちょい待ち、頭ついてかん。

「え、あー……でも、執事すれば稼げるかな、と
「…執事?
「あ、はい。一応、やってたんで」

イギリスが二の腕から手を離して顎に手を当てた。
ちょ、ちょっとドキドキしながら待つ私……二つの意味で。










そしてイギリスは顔を上げると目を逸らしながら少し偉そうに宣言した。










よし…お前、ここで働け!










……。

あっれ〜……私正ヒロインルートは逸れた筈だったんだけどな〜…。
いや、逸れるどころかどこか彼方に行っちゃった筈なんだけども。

何このヒロイン的シチュ。


と、ここでイギリスのお得意ツンデレ発動。

か、勘違いすんなよ!?雑用にいいと思っただけで、
あ、じゃあ別んとこ行きます、私他でも働けるんで(きっぱり)
ああああ!待て!待ってくれ!

くるり、と方向転換して歩き出した私の執事服の燕尾部分を引っ張るイギリス。
ちょっ、びろーんってなっとるやん、やめぇ!





……てかイギイギカワユス!(※確信犯)

ハァハァかわいいよそんなに一人は嫌ですかハァハァ

……ちょっと私自重したほうがいいね、うん。
某仏兄ちゃんみたいじゃないか。(失礼)

大体、私がこんなオイシイフラグ折るわけないじゃないか!
ヘタしたらイギイギが思いっきりデレたりとかするかもしれんやん。
いや、危険な目にあうかもしれんけど。

もう居座る気はあったんだよ?まぁ、
イギイギに反対されたら出てくつもりだったけど。

燕尾をひっぱられたまま、後ろを向く。
も、もうちょっとだけイジめちゃる……!(最悪)





「…なんですか





心底嫌そうな顔で。

私Sだなぁうふふ腐。
あああああそんな傷ついた顔しないでイギイギ。






かわゆいから……っ!(最悪)





「…っ悪い!ここで、働けばいい

ちゃんと給料も用意する、だから、





声が途切れる。
私が手を出してストップをかけたからだ。

必死な顔に、ちょーっと可哀想になった。
頑張って友達作ろうとしてるんだね……!泣ける話だ……!

てか、なんでそんなに必死なのか。
やっぱり一人は嫌なのか、そうなのかイギリス。





「…分かりました、従いましょう、my Lord?

ゆっくりと、自分の出せる最低限の品のある恐らく無いけどね!)笑顔を出し、
滑らかな(こちらも最低限、ね!)発音をしながら、苦笑してイギリスの頭を撫でた。

ぼん!と爆発するようにイギリスの顔が赤くなった。

う〜…
「んな唸らなくても、意地悪しちゃったことは謝りますから」
やっぱり意地悪だったのかよ…

我慢してる顔のイギリスかわいい。ロマーノみたい。
私よりデカいがかわいい。ツボる。

なんか妄想しちゃうよコレ……!顔真っ赤で我慢とか……!(変態め)

ばっ、とまだ少し顔の赤いイギリスが顔を上げる。

「よ、呼び捨てで良いからな……後……」
「?」

もごもごと気まずそうに口篭もるイギリスに私は首を傾げた。
イギリスは決心したように目をぎゅっと瞑ると力のこもった声でこう言った。










お前……男……か!?










間。










……えーえーえーちょ、ええええええ。
今更?今更なの?
別に男に間違われるのは良いんだ別にむしろ嬉しいわ私は

ただ。

何故そのタイミング?
「うっ…」
「……まぁ確かに執事服で幾分胸は潰れてますけども。
一応生物学的には女っす。声とか話し方で分かんなかったですか?」
「いや…多分と思いつつも」
「…少し判断を下しにくかったと(まぁ日本があんな感じだしなぁ)」





まぁ、自己紹介で「私は女です」とか言わない……あ。





「そういえば、名前聞いてませんでしたね。
私は、です、かなこっちだと
「お、おう…俺は…って知ってるか…」





あ。





駄目ですよ、ちゃんと教えてもらわなきゃ、呼べないじゃないですか

知ってるけどさ。
ちゃんとイギリスの口から聞きたいじゃないか。

イギリスは、腰に手を当てて、片方の手を差し出した。
目線は、少しだけ左下だ。かわいい。

「……イギリスだ、よろしくな、
はい、こちらこそ

ぎゅう、と手を握った。
……へへへ。感触が気持ちいい。(変態臭い)

イギリスが詰まったように叫んだ。

、敬語もいらないからな!
べ、別に俺が優しいから敬語無しで許してやってるんだからな!


……これぞツンデレ。

ま、さっきの二の舞にもしてあげようかとも思ったけどやめておこう。





目の前の人が、嬉しそうだから。

「ん。分かったこれからよろしく、イギリス





臨時、私の御主人、英国樣へ。
私を雇って下さって有難う。

……なんてね。




















だせぇええええええ!
駄目だ!





腹立つ。





はい、ここで暮らし始めてはや一週間。





外に出してもらえません!

何あんた、そんなのメリカとか日本にやってあげなよ(おま
軽く軟禁だろこれ!?(あれ軽いのに軟禁ておかしいのか)

嫌だああああさすがにヒッキー歴あるからってコレはキツいっつーの!
私脱ヒキしたんだから外でたいの!さすがに出せ!出せええ!!

駄目だ!外は危ないだろ!?
お前どんだけ過保護!?嬉しいけど愛が重い!てか執事なんだから
買い物させてくださいよ!


現代なんだから危ないもなにも無いだろうが!
スリくらいだろうがいんのは!

「大体私戦闘能力あるんですからねぶっとばしますよ
ぶっ……





隙ありっ





「ぶっとばす」という言葉にイギリスひるんだ瞬間、
イギリスの腕を抜けて窓から脱走。

叫んでる声とか聞こえませんよ?(聞こえてる
だって……!デレすぎだろアレ、
ツンデレからヤンデレに移行しそうな勢いじゃないか!

ふははははは!ちょっととりあえず怖かったけど成功したんだっぜ!(チキン)

……あれぇ、正しい事をしたはずなのになぜこんなに気が重いんだろう。(泣)
まるで家出少女やないか……。










「……ま、いっか!










とりあえず青いお空が眩しいであります隊長!(誰に言ってんだ)






























2008.7.14