ふへー…なんかむっちゃ和む…

Her changeable life
〜彼女の変わった生活〜

ありがとうございましたー!!!

赤いチェックの屋台を組み立てた中に私はいた。

「(ふふ腐!よく売れる!)」

今売っているのはTシャツとリストバンド、カンペンケース
バッジ、ペン、帽子
などバンドライブのグッズのようなものだった。

もってきたCDで音楽を鳴らす。
今は涼宮ハルヒの「God knows...」がかかっている。

大体売れてきたなぁ。
さっきも栗子ちゃんカップル来たし。
ちょっと妙ちゃんの「はいすくーるララバイ」にも支給したし(ただその名前はどうなんだろうか)

「ん?」

お客さんだ。
……しっかしあの髪色はどっかで見たことあるぞ?

「これください」


分かった。
お通ちゃんだ。

茶色のサングラスをして、深くキャップをかぶっているから分かりにくかったけど。
お通ちゃんは「BlAcK SnOwMaN」の黒Tシャツと赤のリストバンドを出している。
小さな声で聞いてみる。

お通ちゃん…ですよね?

「ファンです。お買い上げありがとう御座いました」

にっこり(にやりかもしれないけどね)笑うと、
お通ちゃんも頭を下げて、帰っていった。

その後ものすごく見覚えのある髪色を見つける。

「あれ先生何やってんですか」
「そりゃーおめーアレだよ」
わかりません

先生が商品を弄くりながら話す。

「そういや今変なやつが出回ってるらしいぜ」
「あー…」
「お前も気をつけろよ。それにしてもかったりーな」

…。

「先生それはどうかと思いますけどね」

そうこっそりつぶやいた。




















「あれ、総悟くん、その子どうしたの?」

彼女かなー?と思っていると、
その女生徒に背中を向けさせる。

ペンキ…!!」

ペンキがべったりついていた。

「えーっと、それじゃあ…」

このTシャツでいいか。
ダンボールからひとつTシャツを出す。

「これ、タダであげるからさ、きなよ」
「えっ!」
「名前だけ教えてもらえる?」

一年C組のナニガシです、とその子は言った。

「ん、じゃあ気をつけなね」
「あ、どうもありがとう御座いました」
「いえいえ」

そういうとその子は去っていった。

「…優しいですねぃ」
「でもウチの宣伝にもなるしちょうどいいじゃないの」

そこ腹黒いとか言わないの。

…ちょっとお腹減ってきたな。
何か食べよう。




















「長谷川君がんばってるね〜」
あ、おう!」

すごいベストマッチだね。とはいえない。

「私も2つほしいな」

おいしそう。
てかよだれが沸いてきた。

「はい、どうぞ」
「ども」

お釣りとかだと面倒なのできっちりとお金を渡す。

「がんばってね〜」

手を振って私は去った。

ただしこの後
少女と巨大な犬によって破壊されてしまうのだが。




















「もう始まるなぁ」

お通ちゃんのライブ。
シンプルな時計は、2時9分をさしていた。




そして、10分をさしたところで
ステージにぱっとライトがつく。


!!!!なんかテンション上がってキターーーーーー!!!)」


やばい。コレはハマるぜ、ちょっ、





ねクロマンサァァァ!!!

叫んじゃった☆キモい)

熱い。客席の誰もが立ち上がる。
まぁ、歌はアレなんだけども…!!
でもコレテンション上がる!イイ!もはや人格崩壊)

サビに入ったときだった。





プツッ





音が…切れた!?

電気も消える。
周りはざわざわと騒がしい。
故障か?と言う声も聞こえる。

「(…違う!!!あの人だ!)」

文化祭嫌いのここのOB。

思わず舌打ちする。

舞台の上から白い煙が見える。
消火器の煙だ。





理事長を呼んで来い!





怒鳴ったせいで、マイクからキィィィンと音がする。

仕方ない。
こっそりと列を抜け出し、見つからないように
ステージの袖へと向かう。

男も気が立っているから、気が付くことはないだろう。

さて、どうしようか―…




















「あほらしい…」

ずっと舞台の袖で、男の理由を聞いていた。
まぁ、恋は盲目って言うし、本人にとっては辛いよなぁ。

「!」

お通ちゃんの顔の近くに塩酸が持っていかれる。
先が分かっても、少し恐ろしい。

そのとき、先生の安物スリッパが、飛ばされる。





今だ!





執事の力を使って舞台に高速で走り、
お通ちゃんをお姫様抱っこして、
そのまま舞台から飛び降りる。


「(こえぇぇぇぇぇぇ!!!!)」

でも内心チキンハートはバクバク☆(キモい)

「…大丈夫?」
「!貴方さっきの…」
「お客様は神様ですからね」

ここで使う言葉じゃないけどね。
てか本物の神様見ちゃったしね。


歓喜の声があがる。
私の周りに人が集まる。

ちょっ、暑いんですが…!!!!(おま)

こうしてもみくちゃにされながらも事件は解決したのだった…。




















「せんせー」
「あ?か」

缶ジュースを先生に渡す。
へへへ萌えシチュ…(おま)

「お前無茶すんじゃねーぞ」
「…善処します」
またやる気だろ

はい。

「あーつかれた!
久々だなぁこういうの」
「?前の高校とかでもやってたろ?」
「まぁそうなんすけどね。
中学のときもあったんだけど私元引きこもりなんで
やったことなかったんですよね〜」

うん。あの時はあのときの楽しみがあったさ。
辛いこともあるけれどもね。

「…ちゃんと勉強しろよ」
DTG(ディーティージー)に言われたくないですね
GTO?
DTG。駄目なティーチャー銀八


グレートティーチャー鬼塚じゃないよ。

「大丈夫ですよ、ここは意外といいですから」

頭を指差す。
いや、すごくいいわけじゃないけど。

そして小さく呟く。

「…楽しいなぁ」
「…」










青空を見上げて、少し笑った。
風がそっと頬を撫でた。






























2007.9.21