「何これ……」
そう呟き、手を伸ばした瞬間、ウィィ、と小さな音がして、私は手を引っ込めた。
心臓が驚き、どくどくと脈打つ。
「?……?」
何故か目をそらせず、それでも瞬きした次の瞬間――目の前いっぱいに、ロボットの顔が迫っていた。
「!」
反射的に逃げようとして、しかししゃがんだ状態では逃げられる筈もなく、私は尻餅をつく。そのロボットは、私をじっと見つめた後、私の右腕を掴んだ。
ぐい、と引っ張られ、目を覗き込まれる。
呆然としていると、そのロボットが口を開いた。
「……そっくりでござる」
「……はっ?」
何が、と言おうとした瞬間、がちゃん、という音がして、右腕が重くなる。
私は驚き、右腕を見つめた。
――何かの機械が、私の肘から手首までを覆っていた。
「な、何……これ」
驚く私をよそに、ロボットは立ち上がりきょろきょろしている。
その無関心な様子に腹が立ち、私はかかとを床に打ちつけた。
「ちょっと、あんた、何すんの!?何これ!」
「……」
ロボットは無言で私を見下ろす。
その艶々とした瞳が、私に少しの恐怖を与える。相手はロボットなのだ。用心せねば、何をするか分からない。
ロボットはしばらく考えた後、口を開いた。
「……それは、サンタナ・システムでござる」
「……は?何それ……ていうかなんで、ロボットが、」
問いかけをした瞬間、思考が霞み、
私は意識を飛ばした。