「ほら、やるよ。Merry christmas」
「えっ?」





今日はクリスマスだし凝った料理でも作ろうかと思っていたら、突然イギリスがやってきて青い箱を差しだした。
結構大きくて、銀色のリボンが巻かれている。
呆然としていると、イギリスが笑ったまま首をかしげる。私は慌ててそれを受け取った。結構重い。





「あ、ありがと……あっ、私もプレゼントあるからね!」
「ははっ、ありがとな。とりあえず開けてみてくれないか」
「うん」





リボンを丁寧に解いて箱をあけると、そこには真っ白な靴があった。レースで装飾されていて、小さな宝石の飾りもついている。
だけど嫌味っぽくなくて、可愛いデザインだ。

私は思わず、目が釘付けになる。





「うわぁっ、ありがとうイギリス!はいてもいい?」
「ああ、いいぞ」





そう言ってイギリスはそばにあった椅子を引き寄せる。
それからそこに私を座らせて、足を出すように言う。

自分で履けるよ、と言ったが、いいから出せ、と言われた。

履いていた靴を脱いで、足を差し出す。
イギリスが足を優しく掴むけど、くすぐったくて少し気恥ずかしい。

その白い靴は、私にぴったりだった。きらきらと輝く靴は、本当に綺麗。
思わず両足をそろえてお行儀よく座る。





「……ストッキングが黒でも合うな」
「うん!これすっごく可愛い!」





そう言って、靴を脱ぐ。
改めて手に持つと、小さな宝石に光が反射して、掌をわずかばかり照らした。

イギリスが不思議そうな顔で、私を見やる。





「?もう脱ぐのか?」
「うん、なんかもったいないから、イギリスと出かけるときに履くね!」
「っ!」
「うわっ、ちょ、イギリス、くすぐったいよ、ふふ」





イギリスは感極まったような顔で私を抱きしめ、頭をなでる。
結構子供っぽい人だけど、こういう時はもう年齢が逆転したような気すらする。





「今からご飯つくるよ。ちょっと待っててね?」
「いいのか?外に食べに行っても、」
「クリスマスだし、家でイギリスとゆっくりしたいよ」





そう言った私を、イギリスがまた抱きしめてきたのは、言うまでも無い。





HAPPY MERRY CHRISTMAS...